日インド包括的経済連携協定

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第3章 原産地規則

この章の規定の適用上、
(a) 「輸出者」とは、輸出締約国に所在する自然人又は法人であって、当該輸出締約国から産品を輸出するものをいう。
(b) 「当該締約国の工船」又は「当該締約国の船舶」とは、それぞれ、次の全ての条件を満たす工船又は船舶をいう。
(i) 当該締約国において登録されていること。
(ii) 当該締約国の旗を掲げて航行すること。
(iii) 両締約国の国民又は法人(いずれかの締約国に本店を有する法人であって、代表者、役員会の長及び当該役員会の構成員の過半数が両締約国の国民であり、かつ、両締約国の国民又は法人が50パーセント以上の持分を所有しているものに限る。)が50パーセント以上の持分を所有していること。
(iv) 船長及び上級乗組員の総数の50パーセント以上が両締約国の国民であること。
(v) 乗組員の25パーセント以上が両締約国の国民であること。
(c) 「代替性のある締約国原産品」又は「代替性のある締約国原産材料」とは、それぞれ、商取引において相互に交換することが可能な締約国原産品又は原産材料であって、それらの特性が本質的に同一のものをいう。
(d) 「一般的に認められている会計原則」とは、資産又は負債として記録すべき財産又は債務、記録すべき資産及び負債の変化、資産及び負債並びにこれらの変化についての算定方法、開示すべき情報の範囲及び開示の方法並びに作成すべき財務書類につき、締約国において特定の時に、一般的に認められている又は十分に権威のある支持を得ている会計原則をいう。これらの規準は、一般的に適用される概括的な指針をもって足りるが、詳細な手続及び慣行であることを妨げない。
(e) 「産品」とは、商品、生産品、製品又は材料をいう。
(f)「輸入者」とは、輸入締約国産品を輸入する自然人又は法人をいう。
(g) 「間接材料」とは、他の産品生産、試験若しくは検査に使用される産品(当該他の産品に物理的に組み込まれないものに限る。)又は他の産品生産に関連する建物の維持若しくは設備の稼働のために使用される産品をいい、次のものを含む。
(i) 燃料及びエネルギー
(ii) 工具、ダイス及び鋳型
(iii) 設備及び建物の維持のために使用される予備部品及び産品
(iv) 生産の過程で使用され、又は設備及び建物の稼働のために使用される潤滑剤、グリース、コンパウンド材その他の産品
(v) 手袋、眼鏡、履物、衣類、安全のための設備及び備品
(vi) 試験又は検査に使用される設備、装備及び備品
(vii) 触媒及び溶剤
(viii) 他の産品に組み込まれていないその他の産品であって、当該他の産品生産における使用が当該生産の一部であると合理的に示すことができるもの
(h) 「材料」とは、物又は物質であって、産品生産において消費され、物理的に産品に組み込まれ、又は他の産品生産に使用されるものをいう。
(i) 「非原産材料」とは、この章の規定に基づき、原産国が両締約国以外の国とされる材料非原産材料として輸入されるもの)及び原産地を決定することができない材料(原産地が決定されないもの)をいう。
(j) 「原産材料」とは、この章の規定に基づいて原産品とされる材料をいう。
(k) 「生産」とは、産品を得る方法をいい、製造、組立て、加工、成育、栽培、繁殖、採掘、抽出、収穫、漁ろう、わなかけ、採集、収集、狩猟及び捕獲を含む。
この協定に別段の定めがある場合を除くほか、次のいずれかの産品は、締約国原産品とする。
(a) 当該締約国において完全に得られ、又は生産される産品であって、次条に定めるもの
(b) 当該締約国において完全には得られず、又は生産されない産品であって、第29条に定める要件を満たすもの
前条(a)の規定の適用上、次に掲げる産品は、締約国において完全に得られ、又は生産される産品とする。
(a) 生きている動物であって、当該締約国において生まれ、かつ、成育されたもの
(b) 当該締約国において狩猟、わなかけ、漁ろう、採集又は捕獲により得られる動物
(c) 当該締約国において生きている動物から得られる産品
(d) 当該締約国において収穫され、採取され、又は採集される植物及び植物性生産
注釈 この(d)の規定の適用上、「植物」とは、全ての植物(果実、花、野菜、樹木、海草、菌類及び生きている植物を含む。)をいう。
(e) 当該締約国において抽出され、又は得られる鉱物その他の天然の物質((a)から(d)までに規定するものを除く。)
(f) 当該締約国の船舶により、両締約国の領海外の海から得られる水産物その他の産品
(g) 両締約国の領海外における当該締約国の工船上において(f)に規定する産品から生産される産品
(h) 当該締約国の領海外の海底又はその下から得られる産品。ただし、当該締約国が、1982年12月10日にモンテゴ・ベイで作成された海洋法に関する国際連合条約に基づき、当該海底又はその下を開発する権利を有することを条件とする。
(i) 当該締約国において収集される産品であって、当該締約国において本来の目的を果たすことができず、回復又は修理が不可能であり、かつ、処分又は部品若しくは原材料の回収のみに適するもの
(j) 当該締約国における製造若しくは加工作業又は消費から生ずるくず及び廃品であって、処分又は原材料の回収のみに適するもの
(k) 本来の目的を果たすことができず、かつ、回復又は修理が不可能な産品から、当該締約国において回収される部品又は原材料
(l) 当該締約国において(a)から(k)までに規定する産品のみから得られ、又は生産される産品
1 第27条(b)の規定の適用上、次の(a)及び(b)の条件を満たす産品は、締約国原産品とする。
(a) 次条に定める計算式を用いて算定する当該産品原産資格割合が35パーセント以上であること。
(b) 当該産品生産に使用された全ての非原産材料について、当該締約国において統一システムの関税分類の変更であって6桁番号の水準におけるもの(すなわち、号の変更)が行われていること。
注釈 この(b)の規定の適用上、「統一システム」とは、附属書2に定める品目別規則において用いられているものをいう。
2 1の規定にかかわらず、品目別規則の対象となる産品は、附属書2に定める適用可能な品目別規則を満たす場合には、締約国原産品とする。
3 1(b)の規定の適用上、及び附属書2に定める関連する品目別規則の適用上、使用された材料について関税分類の変更又は特定の製造若しくは加工作業が行われることを求める規則は、非原産材料についてのみ適用する。
1 産品原産資格割合は、次のいずれかの計算式により算定する。
        FOBVNM
(a) QVC—————————————— ×100
          FOB
この場合において、
QVC」とは、百分率で表示される産品原産資格割合をいう。
FOB」とは、2に規定する場合を除くほか、輸送の方法を問わず、産品の買手から当該産品の売手に支払われる当該産品の本船渡しの価額をいう。ただし、当該産品が輸出される際に軽減され、免除され、又は払い戻された内国税を含まない。
VNM」とは、産品生産において使用される全ての非原産材料の価額をいう。
      VOM + 直接労務費 + 直接経費 + 利益
(b) QVC——————————————————————— × 100
              FOB
この場合において、
VOM」とは、産品生産において使用される全ての原産材料の価額をいう。
注釈 産品原産資格割合の算定に当たり、輸出締約国において一般的に認められている会計原則を適用する。
2 (a) 産品の本船渡しの価額は存在するが、その価額が不明で確認することができない場合には、1に規定するFOBは、当該産品の買手から当該産品生産者への確認可能な最初の支払に係る価額に調整される価額とする。
(b) 産品の本船渡しの価額が存在しない場合には、1に規定するFOBは、関税評価協定第1条から第8条までの規定に従って決定される価額とする。
3 1の規定の適用上、締約国における産品生産に使用される材料の価額は、次のいずれかの価額とする。
(a) CIF価額
(b) 当該材料についての当該締約国における確認可能な最初の支払に係る価額。ただし、当該材料供給者の倉庫から当該産品生産者の所在地まで当該材料を輸送するために当該締約国において要する運賃、保険料、こん包費その他の全ての費用及び当該締約国において要する他の費用(一般的に認められており、かつ、確認可能なものに限る。)を除外することができる。
注釈 この3の規定の適用上、「CIF価額」とは、関税評価協定に従って決定される輸入貨物の課税価額であって、当該産品生産者が所在する締約国の輸入港に当該材料を輸送するために要する適当な場合の運賃及び保険料、こん包費その他の全ての費用を含むものをいう。
4 2(b)又は3(a)の規定の適用において産品又は非原産材料の価額を決定するために関税評価協定を適用するに当たり、関税評価協定は、必要な変更を加えて、国内取引の場合又は当該産品若しくは非原産材料の国内取引が存在しない場合について適用する。
産品が一方の締約国原産品であるか否かを決定するに当たり、当該産品の最後の生産工程が当該一方の締約国において行われ、かつ、当該工程が第33条に規定する作業を超える水準のものである場合には、当該一方の締約国において当該産品生産するための材料として使用される他方の締約国原産品は、当該一方の締約国原産材料とみなすことができる。
産品生産に使用される非原産材料が全体として当該産品の価額又は重量による次の特定の割合を超えない場合には、当該非原産材料が当該産品について適用される規則を満たしているか否かは考慮しない。
(a) 統一システムの第15類から第24類までの各類に分類される産品(第1604.20号、第1605.20号、第1605.90号、第2101.11号、第2101.20号、第2106.10号、第2106.90号、第2207.10号及び第2207.20号の各号に分類される産品を除く。)並びに第2501.00号、第2906.11号、第2918.14号、第2918.15号、第2940.00号、第3505.10号、第3505.20号、第3809.10号及び第3824.60号の各号に分類される産品については、当該産品の価額の7パーセント
(b) 統一システムの第28類から第49類までの各類に分類される産品(第2905.44号、第2906.11号、第2918.14号、第2918.15号、第2940.00号、第3502.11号、第3502.19号、第3505.10号、第3505.20号、第3809.10号、第3824.60号、第4601.29号、第4601.94号及び第4602.19号の各号に分類される産品を除く。)及び第64類から第97類までの各類に分類される産品については、当該産品の価額の10パーセント
(c) 統一システムの第50類から第63類までの各類に分類される産品(第5001.00号及び第5003.00号の各号に分類される産品並びに第51.02項、第51.03項、第52.01項から第52.03項まで、第53.01項及び第53.02項の各項に分類される産品を除く。)については、当該産品の重量の7パーセント
注釈1 この条の規定の適用上、「産品の価額」とは、第30条1に規定する当該産品の本船渡しの価額又は同条2に定める価額をいう。
注釈2 この条の規定の適用上、「統一システム」とは、附属書2に定める品目別規則において用いられているものをいう。
注釈3 この条の規定は、第30条に定める原産資格割合の算定については、適用しない。
産品は、次の作業が行われたことのみを理由として輸出締約国原産品としてはならない。
(a) 輸送又は保管の間に産品を良好な状態に保存することを確保する作業(乾燥、冷凍、塩水漬け、損傷部品の除去等)その他これに類する作業
(b) 改装及び仕分
(c) 組み立てられたものを分解する作業
(d) 瓶、ケース及び箱に詰めることその他の単純な包装作業
(e) 統一システムの解釈に関する通則2(a)の規定に従って一の産品として分類される部品及び構成品の収集
(f) 粉じんの除去、ふるい分け若しくは選別、分類、格付、組み合わせる工程(物品をセットにする工程を含む。)、洗浄又は塗装から成る単純な作業
(g) 単純な切断、薄切り及び再こん包又は瓶、フラスコ、袋若しくは箱に詰めること、カード又は板への固定その他の単純なこん包作業
(h) 産品又はその包装にマーク、ラベルその他これらに類する識別表示を付し、又は印刷する作業
(i) 産品の単純な混合(異なる種類の産品の混合であるか否かを問わない。)
(j) 完成品とするための部品の単純な組立て
(k) 動物のとさつ
(l) 産品の特性を実質的に変更しない水又は他の物質による単なる希釈
(m) (a)から(l)までの作業の組合せ
注釈 この条の規定の適用上、「単純な」として規定される作業とは、専門的な技能又は当該作業を行うために特別に生産され、若しくは設置された機械、器具若しくは設備を必要としない場合の作業をいう。
1 他方の締約国原産品であって、次のいずれかの条件を満たしたものは、積送基準を満たした原産品とする。
(a) 当該他方の締約国から直接輸送されること。
(b) 積替え又は一時蔵置のために一又は二以上の第三国を経由して輸送される場合にあっては、当該第三国において積卸し及び産品を良好な状態に保存するために必要なその他の作業以外の作業が行われていないこと。
2 他方の締約国原産品が1に定める積送基準を満たさない場合には、当該原産品は、当該他方の締約国原産品とはみなさない。
第27条から第33条までの関連規定の要件を満たし、かつ、統一システムの解釈に関する通則2(a)の規定により完成品として分類される産品については、組み立ててないか又は分解してある状態で一方の締約国に他方の締約国から輸入される場合であっても、当該他方の締約国原産品とみなす。
1 在庫において混在している代替性のある締約国原産材料及び非原産材料産品生産に使用される場合において、当該産品が当該締約国原産品であるか否かを決定するときは、これらの材料が当該締約国原産材料であるか否かについては、当該締約国において一般的に認められている会計原則に基づく在庫管理方式に従って決定することができる。
2 代替性のある締約国原産品及び非原産品が在庫において混在している場合において、これらの産品が在庫において混在している当該締約国において輸出に先立っていかなる生産工程も経ず、又はいかなる作業(積卸し又はこれらの産品を良好な状態に保存するために必要なその他の作業を除く。)も行われないときは、これらの産品が当該締約国原産品であるか否かについては、当該締約国において一般的に認められている会計原則に基づく在庫管理方式に従って決定することができる。
間接材料については、生産される場所のいかんを問わず、産品生産される締約国原産材料とみなす。
1 産品生産に使用された全ての非原産材料について関連する関税分類の変更又は特定の製造若しくは加工作業が行われたか否かを決定するに当たり、当該産品と共に納入される附属品、予備部品、工具及び解説資料その他の資料であって、当該産品の標準的な附属品、予備部品、工具及び解説資料その他の資料の一部を成すものについては、次の(a)及び(b)の要件を満たす場合には、考慮しない。
(a) 当該附属品、予備部品、工具及び解説資料その他の資料が仕入書において当該産品と別に記載されるか否かにかかわらず、当該附属品、予備部品、工具及び解説資料その他の資料に係る仕入書が当該産品の仕入書と別立てにされないこと。
(b) 当該附属品、予備部品、工具及び解説資料その他の資料の数量及び価額が当該産品について慣習的なものであること。
2 産品原産資格割合の要件の対象となる場合には、当該産品原産資格割合を算定するに当たり、附属品、予備部品、工具及び解説資料その他の資料の価額を、場合に応じて当該産品生産される締約国原産材料又は非原産材料の価額として考慮する。
1 産品を輸送中に保護するために使用される船積み用のこん包材料及びこん包容器については、産品締約国原産品であるか否かを決定するに当たって考慮しない。
2 産品の小売用に使用される包装材料及び包装容器については、次のとおりとする。
(a) 当該産品の小売用の包装材料及び包装容器が統一システムの解釈に関する通則5の規定に従って当該産品に含まれるものとして分類される場合には、当該産品締約国原産品であるか否かを決定するに当たって考慮しない。
(b) 当該産品原産資格割合の要件の対象となる場合には、当該産品原産資格割合を算定するに当たり、当該産品の小売用の包装材料及び包装容器の価額を、場合に応じて当該産品生産される締約国原産材料又は非原産材料の価額として考慮する。
附属書3に規定する運用上の証明手続は、原産地証明書及び関連事項に関する手続について適用する。
1 この章の規定を効果的に実施し、及び運用するため、この協定の効力発生の日に、原産地規則に関する小委員会(以下この条において「小委員会」という。)を設置する。
2 小委員会は、次の事項を任務とする。
(a) 次の事項に関し、検討し、及び必要な場合には合同委員会に対し適当な勧告を行うこと。
(i) この章の規定の実施及び運用
(ii) いずれかの締約国が提案する附属書2の改正
(iii) 附属書3第11節に規定する運用上の手続
(b) この章の規定に関連する他の問題(原産地証明書の発給及び確認を容易にするための電子的なシステムの開発を含む。)であって両締約国が合意するものについて検討すること。
(c) 合同委員会に対し小委員会の所見を報告すること。
(d) 合同委員会が第14条の規定に基づいて委任するその他の任務を遂行すること。
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