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第1節 原産地規則

1 この章に別段の定めがある場合を除くほか、次のいずれかの産品は、締約国原産品とする。
(a) 当該締約国において完全に得られ、又は生産される産品であって、2に定めるもの
(b) 当該締約国原産材料のみ当該締約国において完全に生産される産品
(c) 非原産材料を使用して当該締約国において完全に生産される産品であって、附属書2に定める品目別規則及びこの章の他のすべての関連する要件を満たすもの
(d) 当該締約国において完全に生産される産品(統一システムの第61類から第63類までの産品を除く。)であって、その生産に使用される1又は2以上の非原産材料について次のいずれかの理由により関連する関税分類の変更が行われないもの。ただし、附属書2に別段の定めがある場合を除くほか、次条の規定に従って決定される当該産品原産資格割合が、45パーセント以上(同条1(a)に規定する計算式を用いる場合)又は30パーセント以上(同条1(b)に規定する計算式を用いる場合)であり、かつ、当該産品がこの章の他のすべての関連する要件を満たすことを条件とする。
(i) 当該産品が、組み立てていないか又は分解してある状態で当該締約国に輸入される場合であっても、統一システムの解釈に関する通則2(a)の規定に従って組み立てられた産品として分類されること。
(ii) 当該産品の関税分類の項において、当該産品自体及びその部品の双方について規定し、これらについて明示的に記述しており、かつ、当該項が関税分類の号に細分されていないこと、又は当該産品の関税分類の号において、当該産品自体及びその部品の双方について規定し、かつ、これらについて明示的に記述していること。
2 1(a)の規定の適用上、次に掲げる産品は、締約国において完全に得られ、又は生産される産品とする。
(a) 当該締約国において抽出される鉱物性生産
(b) 当該締約国において収穫される植物性生産
(c) 生きている動物であって、当該締約国において生まれ、かつ、成育されたもの
(d) 当該締約国において狩猟、わなかけ又は漁ろうにより得られる産品
(e) 当該締約国において生きている動物から得られる産品
(f) 次のすべての要件を満たす船舶により、両締約国の領海の外側に位置する海から得られる魚介類その他の水産品
(i) 当該締約国において登録されていること。
(ii) 当該締約国の旗を掲げて航行すること。
(iii) 当該締約国の国民又は企業(当該締約国に本店を有する企業であって、代表者、役員会の長及び当該役員会の構成員の過半数が当該締約国の国民であり、かつ、当該締約国の国民又は企業が50パーセント以上の持分を所有しているものに限る。)が50パーセント以上の持分を所有していること。
(iv) 船長及び上級乗組員のすべてが当該締約国の国民であること。
(v) 乗組員の75パーセント以上が当該締約国の国民であること。
注釈1 国際法(海洋法に関する国際連合条約を含む。)に基づく両締約国の権利及び義務を害することなく、この(f)の規定は、この(f)に規定する船舶により他方の締約国の排他的経済水域から得られる魚介類その他の水産品については、適用しない。
注釈2 この(f) (ⅲ)から(v)までの規定の要件は、漁業及び繁殖業に関する一般法(法第18892号)経過規定第10条の規定に基づき1991年6月30日の前にチリにおいて登録された船舶並びに同法及び他のチリの法律の関連規定に基づき登録されたその承継船舶については、適用しない。
(g) 次のすべての要件を満たす工船の船上において(f)に規定する産品から生産される産品
(i) 当該締約国において登録されていること。
(ii) 当該締約国の旗を掲げて航行すること。
(iii) 当該締約国の国民又は企業(当該締約国に本店を有する企業であって、代表者、役員会の長及び当該役員会の構成員の過半数が当該締約国の国民であり、かつ、当該締約国の国民又は企業が50パーセント以上の持分を所有しているものを限る。)が50パーセント以上の持分を所有していること。
(iv) 船長及び上級乗組員のすべてが当該締約国の国民であること。
(v) 乗組員の75パーセント以上が当該締約国の国民であること。
注釈 この(g) (ⅲ)から(v)までの規定の要件は、漁業及び繁殖業に関する一般法(法第18892号)経過規定第10条の規定に基づき1991年6月30日の前にチリにおいて登録された工船並びに同法及び他のチリの法律の関連規定に基づき登録されたその継承船舶については、適用しない。
(h) 当該締約国又は当該締約国の自然人又は企業により、当該締約国の領海外の海底又はその下から得られる産品。ただし、当該締約国が当該海底又はその下を開発する権利を有することを条件とする。
(i) 次の(i)又は(ii)から生じ、又は得られる廃品及びくず
(i) 当該締約国における生産
(ii) 中古の産品であって、当該締約国において収集されるもの。ただし、当該産品が原材料の回収のみに適するものであることを条件とする。
(j) 当該締約国において専ら(a)から(i)までに規定する産品又はそれらの派生物から生産される産品(いずれの段階で生産されるものであるかを問わない。)
3 1(c)の規定の適用上、使用される材料について関税分類の変更が行われ、又は特定の製造若しくは加工作業が行われることを求める附属書2に定める品目別規則は、非原産材料についてのみ適用する。
1 前条1(c)の規定の適用上、産品原産資格割合は、次のいずれかの計算式により算定する。
(a) 非原産材料の価額に基づく計算式(控除方式
     TVVNM
QVC—————————— ×100
       TV
(b) 原産材料の価額に基づく計算式(積上げ方式
     VOM
QVC—————— ×100
     TV
この場合において、
QVC」とは、百分率で表示される産品原産資格割合という。
TV」とは、2に規定する場合を除くほか、産品の取引価額であって、本船渡しの価額に調整されたものをいう。
VNM」とは、産品生産において生産者が使用したすべての非原産材料の価額であって、次条の規定に従って決定されたものをいう。
VOM」とは、産品生産において生産者が使用したすべての原産材料の価額であって、次条の規定に従って決定されたものをいう。
2 産品の取引価額が存在しない場合又は産品の取引価額が関税評価協定第1条の規定により受諾可能なものでない場合には、当該産品の価額は、関税評価協定第2条から第7条までの規定に従って決定する。
1 材料の価額は、
(a) 当該材料の取引価額とする。
(b) 当該材料の取引価額が存在しない場合又は当該材料の取引価額が関税評価協定第1条の規定により受諾可能なものでない場合には、関税評価協定第2条から第7条までの規定に従って決定する。
2 1に規定する材料の価額には、
(a) 産品生産者が所在する締約国の輸入港に当該材料を郵送するために要する運賃、保険料、こん包費その他のすべての費用を含む。
(b) 産品生産における当該材料の使用から生じた無駄になった部分及び使い損じた部分の材料の費用(再利用可能なくず又は副産物の価額を差し引いたものをいう。)を含めることができる。
3 生産者が所在する締約国において非原産材料を取得する場合には、当該非原産材料の価額には、当該非原産材料供給者の倉庫から当該産品の所在地まで当該非原産材料を輸送するために要する運賃、保険料、こん包費その他のすべての費用及び当該締約国において要する他の費用(一般的に認められており、かつ、確認可能なものに限る。)を含めない。
産品生産に使用する非原産材料であって、関連する関税分類の変更が行われないものが全体として附属書2に定める価額、重量又は容積による特定の割合を超える場合には、当該原産材料については、当該産品締約国原産品であるか否かを決定するに当たって考慮しない。
産品が一方の締約国原産品であるか否かを決定するに当たり、当該一方の締約国において当該産品生産するための材料として使用される他方の締約国原産品は、当該一方の締約国原産材料とみなすことができる。
1 在庫において混在している締約国原産材料及び非原産材料から成る代替性のある材料産品生産に使用される場合において、当該産品が当該締約国原産品であるか否かを決定するときは、これらの材料が当該締約国原産材料であるか否かについては、当該締約国において一般的に認められている会計原則に基づく在庫管理方式に従って決定することができる。
2 締約国原産品及び非原産品から成る代替性のある産品が在庫において混在している場合において、これらの産品が在庫において混在している当該締約国において輸出に先立っていかなる生産工程も経ず、又はいかなる作業(積卸し又はこれらの産品を良好な状態に保存するために必要なその他の作業を除く。)も行われないときは、これらの産品が当該締約国原産品であるか否かについては、当該締約国において一般的に認められている会計原則に基づく在庫管理方式に従って決定することができる。
1 統一システムの解釈に関する通則3の規定に従って関税分類が決定されるセット、キット又は複合的な産品は、当該セット、キット又は複合的な産品に含まれるすべての産品がこの章の規定に従いそれぞれの産品に関連する原産地規則に定める要件を満たす場合には、輸出締約国原産品とする。
2 1の規定は、附属書2に定める品目別規則に優先する。
間接材料については、生産される場所のいかんを問わず、産品生産される締約国原産材料とみなす。
産品と共に納入される附属品、予備部品又は工具であって、当該産品の標準的な附属品、予備部品及び工具の一部を成すものについては、次の(a)及び(b)の規定の要件を満たす場合には、当該産品締約国原産品であるか否かを決定するに当たって考慮しない。
(a) 当該付属品、予備部品又は工具が仕入書において当該産品と別に記載されるか否かにかかわらず、当該付属品、予備部品又は工具に係る仕入書が当該産品の仕入書と別立てにされないこと。
(b) 当該付属品、予備部品又は工具の数量及び価額が産品について慣習的なものであること。
産品を小売用の包装するための包装材料及び包装容器については、統一システムの解釈に関する通則5の規定に従って当該産品に含まれるものとして分類される場合には、当該産品締約国原産品であるか否かを決定するに当たって考慮しない。
船積み用のこん包材料及びこん包容器については、産品締約国原産品であるか否かを決定するに当たって考慮しない。
1 産品は、次の作業が行われることのみを理由として輸出締約国原産品としてはならない。
(a) 輸送又は保管の間に産品を良好な状態に保存することを確保する作業
(b) 改装及び仕分
(c) 組み立てられたものを分解する作業
(d) 瓶、ケース及び箱に詰めることその他の単純な包装作業
(e) 統一システムの解釈に関する通則2(a)の規定に従って一の産品として分類される部品及び構成品の収集
(f) 物品を単にセットにする作業
(g) (a)から(f)までの作業の組合せ
2 1の規定は、附属書2に定める品目別規則に優先する。
1 一方の締約国原産品であって、次のいずれかの条件を満たすものは、積送基準原産品とする。
(a) 当該一方の締約国から他方の締約国に直接輸送されること。
(b) 積替え又は一時蔵置のために1又は2以上の第三国を経由して輸送される場合にあっては、当該第三国において積卸し及び産品を良好な状態に保存するために必要なその他の作業以外の作業が行われていないこと。
2 締約国原産品が1に定める積送基準を満たされない場合には、当該原産品は、当該締約国原産品とみなさない。
前条の規定にかかわらず、第三国における展示会の後に一方の締約国に輸入される他方の締約国原産品であって、次の(a)及び(b)(i)又は(ii)の規定の条件を満たすものは、当該他社の締約国原産品とする。
(a) 当該第三国にある間、当該第三国の税関当局の監督の下に置かれていたこと。
(b) (i) 当該第三国に直接輸送され、かつ、当該第三国から直接輸送されたこと。
(ii) 積替え又は一時蔵置のために他の第三国を経由して輸送された場合にあっては、当該他の第三国において積卸し及び産品を良好な状態に保存するために必要なその他の作業以外の作業が行われていないこと。

第2節 原産地証明書及び関連手続

1 輸入締約国の税関当局は、関税上の特恵待遇を要求する輸入者に対して、輸出締約国原産品についての原産地証明書の提出を要求する。
2 1の規定にかかわらず、輸入締約国の税関当局は、次に掲げる輸入については原産地証明書の提出を要求しない。ただし、当該輸入が、この条及び第46条に定める原産地証明書に関する義務を回避することを目的として行われ、又は準備されたと合理的に認め得る1又は2以上の輸入を構成しないことを条件とする。
(a) その課税価額の総額が1,000アメリカ合衆国ドル若しくは当該輸入締約国の通貨によるその相当額又は当該輸入締約国の税関当局が設定するこれよりも高い額を超えない輸出締約国原産品の輸入
(b) 当該輸入締約国の税関当局が原産地証明書の提出の義務を免除した輸出締約国原産品の輸入
3 輸出締約国原産品が第三国における展示会の後に輸入される場合には、輸入締約国の税関当局は、当該原産品について関税上の特恵待遇を要求する輸入者に対して、次の(a)及び(b) (i)又は(ii)に定めるものの提出を要求することができる。
(a) 当該第三国の税関当局その他の関連する主体が提供する証明書その他の情報であって、当該原産品が前条(a)の規定の条件を満たすことを証明するもの
(b) (i) 通し船荷証券の写し
(ii) 当該原産品が他の第三国を経由して輸送された場合には、当該他の第三国の税関当局その他の関連する主体が提供する証明書その他の情報であって、当該他の第三国において積卸し及び産品を良好な状態に保存するために必要なその他の作業以外の作業が当該原産品について行われていないことを証明するもの
4 3の規定する場合を除くほか、輸出締約国原産品が1又は2以上の第三国を経由して輸入される場合には、輸入締約国の税関当局は、当該原産品について関税上の特恵待遇を要求する輸入者に対して、次のいずれかのものの提出を要求することができる。
(a) 通し船荷証券の写し
(b) 当該第三国の税関当局その他の関連する主体が提供する証明書その他の情報であって、当該第三国において積卸し及び産品を良好な状態に保存するために必要なその他の作業以外の作業が当該原産品について行われていないことを証明するもの
1 原産地証明書は、輸出者によって行われる書面による申請に基づき、附属書3に掲げる輸出締約国の権限のある当局(以下のこの章において「権限のある当局」という。)が発給する。
2 輸出締約国の権限のある当局は、この条の規定の実施のために、自国の関係法令に従い、原産地証明書の発給についての責任を負う団体(公的なものであるかいなか私的なものであるかを問わない。)を指定することができる。
3 輸出締約国の権限のある当局が原産地証明書を発給する団体を指定する場所には、当該輸出締約国は、輸入締約国に対し、書面による当該団体(以下この章において「指定団体」という。)を通報する。
4 この章の規定の実施のために、この協定の効力発生の日に第52条に規定する運用上の手続規則において英語による原産地証明書の様式を定める。原産地証明書には、附属書4に定める事項についての記載を必ず含める。
5 原産地証明書は、英語で入力する。
6 発給された原産地証明書は、輸入締約国への輸出締約国原産品の1回の輸入について適用され、かつ、当該原産証明書が発給された日から1年間有効なものとする。
7 産品輸出者が当該産品生産者でない場合には、当該輸出者は、次のいずれかの申告書に基づいて原産地証明書の発給を申請することができる。
(a) 当該輸出者が輸出締約国の権限のある当局又は指定団体に提出する申告書であって、当該産品生産者が当該輸出者に提供する情報に基づくもの
(b) 当該輸出者の要請により、当該産品生産者が輸出締約国の権限のある当局又は指定団体に直接かつ任意に提出する申告書
8 原産地証明書は、当該原産地証明書の発給を申請する輸出者又は輸出締約国に所在する生産者であって7(b)に規定するものが、輸出締約国の権限のある当局又は指定団体に対し、輸出される産品が当該輸入締約国原産品であることを証明した後にのみ発給される。輸出締約国の権限のある当局又は指定団体は、自国の関係法令に従い、当該輸出者又は当該生産者に対し、当該産品が当該輸出締約国原産品であるか否かに関する情報を提供することを要請することができる。
9 輸出締約国の権限のある当局は、当該輸出締約国の権限のある当局又は指定団体が使用する印章の図案を輸入締約国に提供する。
10 各締約国は、輸出締約国の権限のある当局又は指定団体が、その発給した原産地証明書についての記録を当該原産地証明書の発給の日の後5年間保管することを確保する。当該記録には、輸出締約国原産品であることを証明するために提示されたすべての文書等を含める。
締約国は、原産地証明書の発給を受けた輸出者又は輸出締約国に所在する生産者であって前条7(b)に規定するものが、次の事項を行うことを自国の法令に従って確保する。
(a) 産品が当該輸出締約国原産品でないことを知ったときは、当該輸出締約国の権限のある当局又は指定団体に対し書面により遅滞なく通報すること。
(b) 当該原産地証明書の発給の日の後5年間、産品が輸出締約国原産品であることに関する記録を保管すること。
1 この章に別段の定めがある場合は除くほか、輸入締約国の税関当局は、他方の締約国から輸入される産品について関税上の特恵待遇を要求する輸入者に対して次のことを要求する。
(a) 有効な原産地証明書に基づき、当該産品が輸入締約国原産品であることについて書面による申告を行うこと。
(b) 申告を行う際に原産地証明書を所持すること。
(c) 輸入締約国の税関当局の要請に応じ、原産地証明書を提出すること。
(d) 申告の基礎となる原産地証明書が不正確な情報を含むと信ずるに足りる理由がある場合には、速やかに、申告を修正し、及び納付すべき関税を納付すること。
2 各締約国は、輸入者が輸入の際に原産地証明書を所持していない場合には、当該輸入者が国内法令に従い、原産地証明書及び、必要に応じて、当該輸入に関するその他の文書を当該輸入の後1年を超えない期間内に提出することができるようにすることを確保する。
注釈 チリへの輸入については、超過して徴収した関税は、この2に規定する輸入者に還付される。
1 輸入締約国の税関当局は、原産地証明書が真正なものであること又は原産地証明書に含まれる情報が正確なものであることについて合理的な疑いがある場合には、関税上の特恵待遇を与えられて輸出締約国から輸入される産品が当該輸出締約国原産品であるか否かを決定するため、当該輸出締約国の権限のある当局に対し、当該産品が当該輸出締約国原産品であるか否かに関する情報を原産地証明書に基づいて要請することができる。
2 輸出締約国の権限のある当局は、1の規定の実施のために、自国の法令に従い、要請された情報を当該要請の受領の日から3ヵ月以内に提供する。輸入締約国の税関当局は、必要と認める場合には、産品が輸出締約国原産品であるか否かに関する追加の情報を要請することができる。輸出締約国の権限のある当局は、輸入締約国の税関当局が追加の情報を要請する場合には、自国の法令に従い、要請された情報を当該要請の受領の日から2ヵ月以内に提供する。
3 輸出締約国の権限のある当局は、2の規定の実施のために、原産地証明書の発給を受けた輸出者又は当該輸出締約国に所在する生産者であって第44条7(b)に規定するものに対し、輸入締約国の税関当局から要請された情報を提供するよう要請することができる。
4 1の規定に基づく情報の要請は、次条に規定する方法により原産品であるか否かについての確認を行うことを妨げない。
1 輸入締約国の税関当局は、次の事項を行うことができる。
(a) 輸出締約国の権限のある当局が輸入締約国の税関当局の立会いの下に原産地証明書の発給を受けた輸出者又は当該輸出締約国に所在する生産者であって第44条7(b)に規定するものの施設を訪問することを通じて、産品が当該輸出締約国原産品であるか否かに関する情報を収集し、及び提供すること並びにそのため当該産品生産に使用された設備の確認を行うことを、輸出締約国の権限のある当局に対して要請すること。
(b) 産品が輸出締約国原産品であるか否かに関する情報であって、輸出締約国の権限のある当局又は指定団体が所持するものを提供することを、輸出締約国の権限のある当局に対して(a)に規定する訪問の間に要請すること。
2 輸入締約国の税関当局は、1の規定による訪問の実施を輸出締約国の権限のある当局に対して要請する場合には、そのような要請を行うための書面を、訪問の実施を希望する日の少なくとも40日前までに受領の確認を伴う方法により当該輸出締約国の権限のある当局に送付する。当該輸出締約国の権限のある当局は、その施設に訪問を受ける輸出者又は当該輸出締約国に所在する生産者に対し、訪問を受けることについて同意するか否かの書面による回答を求める。
3 2の規定により送付される書面には、次の事項に関する情報を含める。
(a) 当該書面を送付する税関当局を特定する事項
(b) その施設への訪問が要請される輸出者又は輸出締約国に所在する生産者の氏名又は名称
(c) 訪問の実施を希望する日及び場所
(d) 訪問の目的及び実施の範囲(確認の対象となっている原産地証明書所載の産品の明記を含む。)
(e) 訪問に立ち会う輸入締約国の税関当局の職員の氏名及び官職
4 輸出締約国の権限のある当局は、1の規定に基づいて要請される訪問の実施を受領するか否かを、2の規定により送付される書面を受領した日から30日以内に輸入締約国の税関当局に対して書面により回答する。
5 輸出締約国の権限のある当局は、自国の法令に従い、訪問の最終日から45日以内又は相互に同意するその他の期間内に、1の規定に基づいて収集した情報を輸入締約国の税関当局に提供する。
1 輸入締約国の税関当局は、輸入者がいずれかの産品について関税上の特恵待遇を要求する場合において、当該産品が輸出締約国原産品でないとき又は当該輸入者がこの章に規定する要件を満たさないときは、当該産品に関税上の特恵待遇を与えないことができる。
2 輸出締約国の権限のある当局は、原産地証明書の発給の決定を取り消す場合には、当該原産地証明書が当該輸出締約国の権限のある当局に返却された場合を除くほか、当該原産地証明書の発給を受けた輸出者及び輸入締約国の税関当局に対し速やかにその取消しを通報する。当該輸入締約国の税関当局は、その通報を受領したときは、産品が当該輸出締約国原産品でないと決定し、関税上の特恵待遇を与えないことができる。
3 輸入締約国の税関当局は、次のいずれかの場合には、産品が輸出締約国原産品でないと決定し、関税上の特恵待遇を与えないことができるものとし、当該輸出締約国の権限のある当局に対し書面によりその旨の決定を送付する。
(a) 当該輸出締約国の権限のある当局が要請に対し第47条2又は前条5に規定する期間内に回答しない場合
(b) 当該輸出締約国の権限のある当局が訪問の実施を拒否する場合又は前条2の規定による書面による要請に対し同条4に規定する期間内に回答しない場合
(c) 第47条又は前条の規定に従い当該輸入締約国の関係当局に提供された情報が当該産品が当該輸出締約国原産品であることを証明するために十分でない場合
4 輸入締約国の税関当局は、場合に応じて第47条又は前条に規定する手続きを実施した後、輸出締約国の権限のある当局に対し、産品が当該輸出締約国原産品であるか否かについての書面による決定(当該決定に係る事実認定及び法的根拠を含む。)を送付する。当該決定は、第47条又は前条の規定に従い当該輸入締約国の税関当局が当該輸出締約国の権限のある当局から提供された情報を受領した日から45日以内に送付されるものとする。当該輸出締約国の権限のある当局は、その施設が同条に規定する訪問の対象となった輸出者又は当該輸出締約国に所在する生産者に対し、当該決定を通報する。
1 各締約国は、原産地証明書の発給を受けた輸出者又は輸出締約国に所在する生産者であって第44条7(b)に規定するものが、原産地証明書が発給される前に虚偽の申告書その他の文書を輸出締約国の権限のある当局又はその指定団体に提出した場合には、自国の法令に従って、当該輸出者及び生産者に対して適当な罰則その他の制裁を定め、又は維持する。
2 各締約国は、原産地証明書の発給を受けた輸出者又は輸出締約国に所在する生産者であって第44条7(b)に規定するものが、原産地証明書の発給された後に産品が当該輸出締約国原産品でないことを知ったにもかかわらず、当該輸出締約国の権限のある当局又は指定団体に対し書面により遅滞なく通報することを怠った場合には、自国の法令に従って、当該輸出者及び生産者に対して適当を認める措置をとる。
輸入者は、この協定の効力発生の日に輸出締約国から輸入締約国の輸送中であり、又は一時蔵置されている産品について、関税上の特恵待遇を要求することができない。ただし、(a)当該産品がその章のすべての関連する要件を満たし、かつ、(b)当該輸入者が、国内法令に従い、遡及的に発給された原産地証明書及び、必要に応じて、当該産品の輸入に関するその他の文書をこの協定の効力発生の日から四ヵ月を超えない期間内に、当該輸入締約国の税関当局に提出する場合を除く。

第3節 他の規定

委員会は、この協定の効力発生の日に運用上の手続規則を採択する。両締約国の税関当局、権限のある当局その他の関係当局は、同手続規則に定める詳細な規定に従って、前章及びこの規定に基づく任務を遂行する。
1 輸入締約国と輸出締約国との間の連絡は、英語で行う。
2 附属書2に定める関連する品目別規則の適用及び原産品であるか否かの決定に当たり、輸出締約国において一般的に認められている会計原則を適用する。
この章の規定の適用上、
(a) 「輸出者」とは、輸出締約国に所在する者であって、当該輸出締約国から産品を輸出するものをいう。
(b) 「本船渡し」とは、輸送の方法のいかんを問わず、買手に直接引渡しを行うまで売手が費用及び危険を負担するという取引条件をいう。
(c) 「代替性のある産品」又は「代替性のある材料」とは、それぞれ、商取引において相互に交換することが可能な産品又は材料であって、それらの特性が本質的に同一のものをいう。
(d) 「一般的に認められている会計原則」とは、資産又は負債として記録すべき財産又は債務、記録すべき資産及び負債の変化、資産及び負債並びにこれらの変化についての算定方法、開示すべき情報の範囲及び開示の方法並びに作成すべき財務書類につき、締約国において特定の時に、一般的に認められている又は十分に権威のある支持を得ている会計原則をいう。これらの規準は、一般的に適用される概括的な指針をもって足りるが、詳細な手続及び慣行であることを妨げない。
(e) 「輸入者」とは、輸入締約国産品を輸入する者をいう。
(f) 「間接材料」とは、他の産品生産、試験若しくは検査に使用される産品(当該他の産品に物理的に組み込まれないものに限る。)又は他の産品生産に関する建物の維持若しくは設備の稼働のために使用される産品をいい、次のものを含む。
(i) 燃料及びエネルギー
(ii) 工具、ダイス及び鋳型
(iii) 設備及び建物の維持のために使用される予備部品及び産品
(iv) 生産の過程で使用され、又は設備及び建物の稼働のために使用される潤滑剤、グリース、コンパウンド材その他の産品
(v) 手袋、眼鏡、履物、衣類、安全のための設備及び備品
(vi) 試験又は検査に使用される設備、装置及び備品
(vii) 触媒及び溶剤
(viii) 他の産品に取り込まれていないその他の産品であって、当該他の産品生産における使用が当該生産の一部であると合理的に示すことができるもの
(g) 「材料」とは、他の産品生産に使用される産品をいう。
(h) 「締約国原産材料」とは、締約国において他の産品生産に使用される当該締約国原産品(第33条の規定に従って当該締約国原産材料とみなすものを含む。)をいう。
(i) 「船積み用のこん包材料及びこん包容器」とは、産品の輸送中に保護するために使用される産品であって、第38条に規定する小売用の包装材料及び包装容器以外のものをいう。
(j) 「関税上の特恵待遇」とは、第14条1の規定に従って輸出締約国原産品について適用する関税率をいう。
(k) 「生産者」とは、産品又は材料生産を行う者をいう。
(l) 「生産」とは、産品を得る方法をいい、製造、組立て、加工、成育、栽培、繁殖、採掘、抽出、収穫、漁ろう、わなかけ、採集、収集、狩猟及び捕獲を含む。
(m) 「産品の取引価額」とは、産品が輸出のために販売されるか否かにかかわらず、産品生産者が行う取引に関して産品に対して現実に支払われた又は支払われるべき価格(関税評価協定第1条に規定する原則に基づくものをいう。)であって、関税評価協定第8条1、3及び4に規定する原則に従って調整されるものをいう。この定義の適用上、産品生産者を関税評価協定に規定する売手とする。
(n) 「材料の取引価額」とは、材料が輸出のために販売されるか否かにかかわらず、産品生産者が行う取引に関して材料に対して現実に支払われた又は支払われるべき価格(関税評価協定第1条に規定する原則に基づくものをいう。)であって、関税評価協定第8条1、3及び4に規定する原則に従って調整されるものをいう。この定義の適用上、材料供給者を関税評価協定に規定する売手とし、産品生産者を関税評価協定に規定する買手とする。