日モンゴル経済連携協定

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第3章 原産地規則

この章の規定の適用上、
(a) 「権限のある政府当局」とは、各締約国の法令に従い、原産地証明書の発給又はその発給を行う団体の指定について責任を負う当局をいう。
(b) 「輸出者」とは、輸出締約国に所在する者であって、当該輸出締約国から産品を輸出するものをいう。
(c) 「当該締約国の工船」又は「当該締約国の船舶」とは、それぞれ、次の(i)から(ⅲ)までの全ての要件を満たす工船又は船舶をいう。
(i) 当該締約国において登録されていること。
(ii) 当該締約国の旗を掲げて航行すること。
(iii) 次のいずれかの条件を満たすこと。
(A) 両締約国の国民が50パーセント以上の持分を所有していること。
(B) いずれかの締約国に本店及び主たる営業所を有する法人であって、第三国において登録されている工船又は船舶を所有していないものが所有していること。
(d) 「代替性のある締約国原産品」又は「代替性のある締約国原産材料」とは、それぞれ、商取引において相互に交換することが可能な原産品又は原産材料であって、それらの特性が本質的に同一のものをいう。
(e) 「一般的に認められている会計原則」とは、資産又は負債として記録すべき財産又は債務、記録すべき資産及び負債の変化、資産及び負債並びにそれらの変化についての算定方法、開示すべき情報の範囲及び開示の方法並びに作成すべき財務書類につき、締約国において特定の時に、一般的に認められている会計原則又は十分に権威のある支持を得ている会計原則をいう。それらの規準は、一般に適用される概括的な指針をもって足りるが、詳細な手続及び慣行であることを妨げない。
(f) 「輸入者」とは、輸入締約国産品を輸入する者をいう。
(g) 「間接材料」とは、他の産品生産、試験若しくは検査に使用される産品(当該他の産品に物理的に組み込まれないものに限る。)又は他の産品生産に関連する建物の維持若しくは設備の稼働のために使用される産品をいい、次のものを含む。
(i) 燃料及びエネルギー
(ii) 工具、ダイス及び鋳型
(iii) 設備及び建物の維持のために使用される予備部品及び産品
(iv) 生産の過程で使用され、又は設備及び建物の稼働のために使用される潤滑剤、グリース、コンパウンド材その他の産品
(v) 手袋、眼鏡、履物、衣類並びに安全のための設備及び備品
(vi) 他の産品の試験又は検査に使用される設備、装置及び備品
(vii) 触媒及び溶剤
(viii) その他の産品であって、他の産品に組み込まれておらず、かつ、当該他の産品生産におけるその使用が当該生産の一部であると合理的に示すことができるもの
(h) 「材料」とは、他の産品生産に使用される産品をいう。
(i) 「非原産材料」とは、この章の規定に従って原産品とされない材料をいう。
(j) 「原産材料」とは、この章の規定に従って原産品とされる材料をいう。
(k) 「輸送用及び船積み用のこん包材料及びこん包容器」とは、産品を輸送中に保護するために使用される産品であって、第3.13条に規定する小売用の包装材料及び包装容器以外のものをいう。
(l) 「関税上の特恵待遇」とは、第2.4条1の規定に従って輸出締約国原産品について適用する関税率をいう。
(m) 「生産者」とは、産品又は材料生産に従事する者をいう。
(n) 「生産」とは、産品を得る方法をいい、製造、組立て、加工、成育、栽培、繁殖、採掘、抽出、収穫、漁ろう、わなかけ、採集、収集、狩猟及び捕獲を含む。
この章に別段の定めがある場合を除くほか、次のいずれかの産品は、締約国原産品とする。
(a) 当該締約国において完全に得られ、又は生産される産品であって、次条に定めるもの
(b) 当該締約国原産材料のみから当該締約国において完全に生産される産品
(c) 非原産材料を使用して当該締約国において完全に生産される産品であって、附属書2に定める品目別規則(関税分類の変更、原産資格割合又は特定の製造若しくは加工の作業に関する要件を定める規則)及びこの章の他の全ての関連する要件を満たすもの
前条(a)の規定の適用上、次に定める産品は、締約国において完全に得られ、又は生産される産品とする。
(a) 生きている動物であって、当該締約国において生まれ、かつ、成育されたもの
(b) 当該締約国において狩猟、わなかけ、漁ろう、採集又は捕獲により得られる動物
(c) 当該締約国において生きている動物から得られる産品
(d) 当該締約国において収穫され、採取され、又は採集される植物及び植物性生産
(e) 当該締約国において抽出され、又は得られる鉱物その他の天然の物質((a)から(d)までに規定するものを除く。)
(f) 当該締約国の船舶により、両締約国の領海外の海から得られる水産物その他の産品
(g) 両締約国の領海外における当該締約国の工船上で、(f)に規定する産品から生産される産品
(h) 当該締約国の領海外の海底又はその下から得られる産品。ただし、当該締約国が、国連海洋法条約に基づき、当該海底又はその下を開発する権利を有することを条件とする。
(i) 当該締約国において収集される産品であって、当該締約国において本来の目的を果たすことができず、回復又は修理が不可能であり、かつ、処分又は部品若しくは原材料の回収にのみに適するもの
(j) 当該締約国における製造若しくは加工の作業又は消費から生ずるくず及び廃品であって、処分又は原材料の回収にのみ適するもの
(k) 本来の目的を果たすことができず、かつ、回復又は修理が不可能な産品から、当該締約国において回収される部品又は原材料
(l) 当該締約国において(a)から(k)までに規定する産品のみから得られ、又は生産される産品
1 第3.2条(c)の規定の適用上、産品原産資格割合は、次のいずれかの計算式により算定する。
(a) 非原産材料の価額に基づく計算式(控除方式
     FOBVNM
QVC = —————————————— ×100
        FOB
(b) 原産材料の価額に基づく計算式(積上げ方式
    VOM + 直接労務費 + 直接経費 + 利益
QVC = ——————————————————————— ×100
            FOB
この場合において、
QVC」とは、百分率で表示される産品原産資格割合をいう。
FOB」とは、2に規定する場合を除くほか、輸送の方法を問わず、産品の買手から当該産品の売手に支払われる当該産品の本船渡しの価額をいう。ただし、当該産品が輸出される際に軽減され、免除され、又は払い戻された内国税を含まない。
VNM」とは、産品生産において使用される全ての非原産材料の価額をいう。
VOM」とは、産品生産において使用される全ての原産材料の価額をいう。
注釈 産品原産資格割合の算定に当たり、輸出締約国における一般的に認められる会計原則を適用する。
2 (a) 産品の本船渡しの価額は存在するが、その価額が不明で確認することができない場合には、1に規定するFOBは、当該産品の買手から当該産品生産者への確認可能な最初の支払に係る価額に調整される価額する。
(b) 産品の本船渡しの価額が存在しない場合には、1に規定するFOBは、関税評価協定第1から第8条までの規定に従って決定される価額とする。
3 1の規定に従って原産資格割合の算定するに当たり、締約国における産品生産において使用される材料の価額は、次のいずれかの価額とする。
(a) 関税評価協定に従って決定される価額であって、当該産品生産者が所在する締約国の輸入港に当該材料を輸送するために要する運賃、適当な場合の保険料、こん包費その他の全ての費用を含むもの
(b) 当該材料の価額が不明で確認することができない場合には、当該材料についての当該締約国における確認可能な最初の支払に係る価額。ただし、当該材料供給者の倉庫から当該産品生産者の所在地まで当該材料を輸送するために当該締約国において要する運賃、保険料、こん包費その他の全ての費用及び当該輸送に関して当該締約国において要する他の費用(一般的に認められており、かつ、確認可能なものに限る。)を除外することができる。
4 産品締約国原産品であるか否かを決定するため原産地資格割合を算定するに当たり、
(a) 1(a)に規定する当該産品VNMには、当該産品生産に当たって使用される当該締約国原産材料生産において使用される非原産材料の価額を含めない。
(b) 1(b)に規定する当該産品VOMには、当該産品生産に当たって使用される当該締約国原産材料生産において使用される非原産材料の価額を含める。
5 2(b)又は3(a)の規定において産品又は材料の価額を決定するために関税評価協定を適用するに当たり、関税評価協定は、必要な変更を加えて、国内取引の場合又は当該産品若しくは材料の取引が存在しない場合について適用する。
産品が一方の締約国原産品であるか否かを決定するに当たり、当該一方の締約国は、次のことを行うことができる。ただし、当該産品の最後の生産工程が輸出国である当該一方の締約国において行われ、かつ、当該生産工程が第3.7条に規定する作業を超える水準のものである場合に限る。
(a) 当該一方の締約国において当該産品生産するための材料として使用される地方の締約国原産品を当該一方の締約国原産材料とみなすこと。
(b) 他方の締約国において行われた生産を当該一方の締約国において行われた生産とみなすこと。
(c) 当該産品非原産材料を使用して生産される産品であるときは、当該一方の締約国又は他方の締約国において一又は二以上の生産者により行われる異なる段階における生産を考慮すること。
1 附属書2に定める品目別規則の適用上、特定の産品について適用される品目別規則において当該産品の価額、重量又は容積による特定の割合が定められ、かつ、当該産品生産に使用される非原産材料が全体として当該割合を超えない場合には、当該非原産材料が当該産品について適用される規則を満たしているか否かは考慮しない。
2 1の規定は、統一システムの第1類から第24類までの各類に掲げる産品生産に使用される非原産材料については、適用しない。ただし、当該非原産材料が、この条の規定に従って原産品とされる産品と異なる号に掲げられる場合を除く。
1 産品は、次の作業が行われたことのみを理由として締約国原産品としてはならない。
(a) 輸送又は保管の間に産品を良好な状態に保存することを確保する作業(乾燥、冷凍、塩水漬け等)その他これに類する作業
(b) 改装及び仕方
(c) 組み立てられたものを分解する作業
(d) 瓶、ケース及び箱に詰めることその他の単純な包装作業
(e) 統一システムの解釈に関する通則2(a)の規定に従って一の産品として分類される部品及び構成品の収集
(f) 物品を単にセットにする作業
(g) (a)から(f)までに規定する作業の組合せ
2 1の規定は、附属書2に定める品目別規則に優先する。
1 他方の締約国原産品であって、次のいずれかの条件を満たすものは、積送基準を満たす原産品とする。
(a) 当該他方の締約国から直接輸送されること。
(b) 積替え又は一時蔵置のために一又は二以上の第三国を経由して輸送される場合にあっては、当該第三国において積卸しその他産品を良好な状態に保存するために必要な作業以外の作業が行われていないこと。
2 他方の締約国原産品が1を定める積送基準を満たさない場合には、当該原産品については、当該他方の締約国原産品とみなさない。
1 第3.2条から第3.7条までの関連規定の要件を満たし、かつ、統一システムの解釈に関する通則2(a)の規定に従って完成品として分類される産品については、組み立ててないか又は分解してある状態で一方の締約国に他方の締約国から輸入される場合であっても、当該地方の締約国原産品とみなす。
2 締約国のおいて組み立ててないか又は分解してある産品材料から組み立てられる産品であって、当該材料が統一システムの解釈に関する通則2(a)の規定に従って完成品として分類される産品として当該締約国に輸入されたものについては、当該締約国原産品とみなす。ただし、組み立ててないか又は分解してある産品非原産材料が組み立ててないか又は分解してある形態でなく個別に当該締約国に輸入されていたならば、当該産品が第3.2条から第3.7条までの関連規定の適用される要件を満たしていたであろう場合に限る。
1 在庫において混在している代替性のある締約国原産材料及び当該原産材料と代替性のある非原産材料産品生産に使用される場合において、当該産品が当該締約国原産品であるか否かを決定するときは、これらの材料が当該締約国原産材料であるか否かについては、当該締約国における一般的に認められる会計原則に基づく在庫管理方式に従って決定することができる。
2 代替性のある締約国原産品及び当該原産品と代替性のある非原産品が在庫において混在している場合において、これらの産品が在庫において混在している締約国において輸出に先立っていかなる生産工程も経ず、又はいかなる作業(積卸しその他これらの産品を良好な状態に保存するために必要な作業を除く。)も行われないときは、これらの産品が当該締約国原産品であるか否かについては、当該締約国における一般的に認められている会計原則に基づく在庫管理方式に従って決定することができる。
間接材料については、生産される場所のいかんを問わず、産品生産される締約国原産材料とみなす。
1 産品生産に使用された全ての非原産材料について附属書2に定める関連する関税分類の変更又は特定の製造若しくは加工の作業が行われたか否かを決定するに当たり、当該産品と共に納入される附属品、予備部品又は工具であって、当該産品の標準的な附属品、予備部品又は工具の一部を成すものについては、次の(a)及び(b)の要件を満たす場合には、考慮しない。
(a) 当該産品の共に納入される附属品、予備部品又は工具が仕入書において当該産品と別に記載されるか否にかかわらず、当該附属品、予備部品又は工具を係る仕入書が当該産品の仕入書と別立てにされないこと。
(b) 当該産品と共に納入される附属品、予備部品又は工具の数量及び価額が当該産品について慣習的なものであること。
2 産品原産資格割合の要件の対象となる場合には、当該産品原産資格割合を算定するに当たり、附属品、予備部品又は工具の価額を、場合に応じて当該産品生産される締約国原産材料又は非原産材料の価額として考慮する。
1 産品を小売用に包装するための包装材料及び包装容器については、統一システムの解釈に関する通則5の規定に従って当該産品に含まれるものとして分類される場合には、当該産品締約国原産品であるか否かを決定するに当たって考慮しない。ただし、当該産品が次のいずれかに該当することを条件とする。
(a) 完全に得られ、又は生産される産品であって、第3.2条(a)に定めるものであること。
(b) 原産材料のみから生産される産品であって、第3.2条(b)に定めるものであること。
(c) 当該産品について附属書2に定める関連する関税分類の変更又は特定の製造若しくは加工の作業が行われていること。
2 産品原産資格割合の要件の対象となる場合には、当該産品原産資格割合を算定するに当たり、当該産品の小売用の包装材料及び包装容器の価額を、場合に応じて当該産品生産される締約国原産材料又は非原産材料の価額として考慮する。
産品の輸送用及び船積み用のこん包材料及びこん包容器については、当該産品原産品であるか否かを決定するに当たって考慮しない。
1 輸入締約国は、輸出締約国原産品について、この協定に従い、原産地証明書に基づき関税上の特恵待遇を与える。
2 1の規定にかかわらず、輸入締約国は、
(a) 課税価額の総額1,500アメリカ合衆国ドル若しくは輸入締約国の通貨によるその相当額又は輸入締約国が設定するこれよりも高い額を超えない輸出締約国原産品の輸入については、輸入者に対して原産地証明書の提出を要求しない。ただし、当該輸入が原産地証明書に関する義務を回避することを目的として行われたと合理的に認め得る輸入の一部を構成しないことを条件とする。
(b) 自国の法令に従い、原産地証明書に関する義務を免除することができる。
3 輸入締約国は、適当な場合には、輸入者に対し、産品が輸出締約国原産品であることを示す他の証拠の提出を要求することができる。
4 輸出締約国原産品が一又は二以上の第三国を経由して輸入される場合には、輸入締約国は、当該原産品について関税上の特恵待遇を要求する輸入者に対して、次のものの提出を要求することができる。
(a) 通し船荷証券の写し
(b) 当該第三国の税関当局その他関連する団体が提供する証明書その他の情報であって、当該第三国において積卸しその他産品を良好な状態に保存するために必要な作業以外の作業が当該原産品について行われていないことを証明するもの
1 前条1に規定する原産地証明書は、輸出者又は権限を与えられたその代理人によって行われる申請に基づき、輸出締約国の権限のある政府当局が発給する。当該原産地証明書には、附属書3に定める事項についての記載を必ず含めるものとする。
2 輸出締約国の権限のある政府当局は、この条の規定の実施のために、自国の関係法令により与えられた権限に基づき、原産地証明書の発給について責任を負う他の団体(以下この章において「指定団体」という。)を指定することができる。
3 輸出締約国の権限のある政府当局が指定団体を指定する場合には、当該輸出締約国は、輸入締約国に対し書面によりその指定団体を通報する。
4 両締約国は、この章の規定の実施のために、この協定の効力発生の日に第3.26条に規定する原産地規則のための運用上の手続規則において英語による各締約国の原産地証明書の様式を定める。
5 原産地証明書は、英語で記入する。
6 原産地証明書は、印刷によるもの又は両締約国が合意する他の媒体によるものとする。
7 発給された原産地証明書は、輸入締約国への輸出締約国原産品の1回限りの輸入について適用され、かつ、当該原産地証明書が発給された日から12箇月間有効なものとする。
8 産品輸出者が輸出締約国に所在する当該産品生産者でない場合には、当該輸出者は、次のいずれかの申告書に基づいて原産地証明書の発給を申請することができる。
(a) 当該輸出者が権限のある政府当局又はその指定団体に提出する申告書であって、当該産品生産者が当該輸出者に提供する情報に基づくもの
(b) 当該輸出者の要請により、当該産品生産者が権限のある政府当局又はその指定団体に直接かつ任意に提出する申告書
9 原産地証明書は、当該原産地証明書の発給を申請する輸出者又は輸出締約国に所在する8(b)に規定する産品生産者が、輸出締約国の権限のある政府当局又はその指定団体に対し、輸出される産品が当該輸出締約国原産品であることを証明した後にのみ発給される。
10 輸出締約国の権限のある政府当局は、当該権限のある政府当局又はその指定団体が使用する署名の見本及び印章の図案を輸入締約国に提供する。
11 各締約国は、自国の法令に従い、自国の権限のある政府当局又はその指定団体がその発給した原産地証明書についての記録を当該原産地証明書の発給の日の後5年間保管することを確保する。当該記録には、輸出締約国原産品であることを証明するために提示された全ての補助的な文書を含む。
12 輸出締約国の権限のある政府当局は、原産地証明書の発給の決定を取り消す場合には、当該原産地証明書が当該権限のある政府当局に返却された場合を除くほか、当該原産地証明書の発給を受けた輸出者及び輸入締約国の税関当局に対して速やかにその取消しを通報する。
締約国は、自国の法令に従い、原産地証明書の発給を受けた輸出者又は輸出締約国に所在する前条8(b)に規定する産品生産者が、次のことを行うことを確保する。
(a) 当該原産地証明書の発給を受けた産品が当該輸出締約国原産品でないことを知ったときは、当該輸出締約国の権限のある政府当局又はその指定団体に対して書面により遅滞なく通報すること。
(b) 当該原産地証明書の発給の日の後5年間、産品が輸出締約国原産品であることに関する記録を保管すること。
1 両締約国は、この章の規定の適切な適用を確保するため、この協定及びそれぞれの国内の法令に従い、原産地証明書に関する情報を確認するために相互に支援する。
2 輸入締約国の税関当局は、関税上の特恵待遇を与えるものとして輸出締約国から輸入される産品が当該輸出締約国原産品であるか否かを決定するため、当該輸出締約国の権限のある政府当局に対し、当該産品が当該輸出締約国原産品であるか否かに関する情報を原産地証明書に基づいて要請をすることができる。
3 輸出締約国の権限のある政府当局は、2の規定の実施のために、自国の法令に従い、要請された情報を当該要請の受領の日の後4箇月を超えない期間内に提供する。輸入締約国の税関当局は、必要と認める場合には、産品が輸出締約国原産品であるか否かに関する追加の情報を要請することができる。輸出締約国の権限のある政府当局は、輸入締約国の税関当局が追加の情報を要請する場合には、自国の法令に従い、要請された情報を当該要請の受領の日の後2箇月を超えない期間内に提供する。
4 輸出締約国の権限のある政府当局は、3の既定の実施のために、原産地証明書の発給に受けた輸出者又は当該輸出締約国に所在する第3.16条8(b)に規定する産品生産者に対し、輸出締約国の税関当局から要請された情報を当該政府当局に提供するよう要請することができる。
1 輸入締約国の税関当局は、前条の規定に基づく確認の要請の結果に満足しない場合には、次のことを行うことができる。
(a) 輸出締約国の権限のある政府当局が当該輸入締約国の税関当局の立会いの下に原産地証明書の発給を受けた輸出者又は当該輸出締約国に所在する第3.16条8(b)に規定する産品生産者の施設を訪問することを通じて、産品が当該輸出締約国原産品であるか否かに関する情報を収集し、及び提供すること並びにそのため当該産品生産に使用された設備の確認を行うことを、当該輸出締約国に関して要請すること。
(b) 産品が輸出締約国原産品であるか否かに関する情報であって、当該輸出締約国の権限のある政府当局又はその指定団体が所持するものを提供することを、当該輸出締約国に対し(a)に規定する訪問の間又はその後に要請すること。
2 輸入締約国の税関当局は、1の規定に基づく訪問の実施を輸出締約国に対して要請する場合には、そのような要請を行う書面を、訪問の実施を希望する日の少なくとも40日前までに受領の確認を伴う方法により当該輸出締約国に送付する。当該輸出締約国の権限のある政府当局は、その施設に訪問を受ける輸出者又は輸出締約国の所在する産品生産者に対し、訪問を受けることをついて同意するか否かの書面による回答を求める。
3 2に規定する要請を行う書面には、次の事項に関する情報を含める。
(a) 当該書面を作成する輸入締約国の税関当局を特定する事項
(b) その施設へ訪問が要請される輸出者又は輸出締約国に所在する産品生産者の氏名又は名称
(c) 訪問の実施を希望する日及び場所
(d) 要請する訪問の目的及び実施の範囲(原産地証明書に記載された産品であって、確認の対象となっているものについての明記を含む。)
(e) 訪問に立ち会う輸入締約国の税関当局の職員の氏名及び官職
4 輸出締約国は、1の規定に基づいて要請された訪問の実施を受諾するか否かを、2に規定する要請を行う書面を受領した日の後30日以内に輸入締約国に対して書面により回答する。
5 輸出締約国の権限のある政府当局は、自国の法令に従い、訪問の最終日の後45日以内又は相互に同意するその他の期間内に、1の規定に基づいて収集した情報を輸入締約国の税関当局に提供する。
1 輸入締約国の税関当局は、輸入者が産品について関税上の特恵待遇を要求する場合において、当該産品が輸出締約国原産品でないとき又は当該輸入者がこの章に規定する関連する要件を満たされないときは、当該産品に関税上の特恵待遇を与えないことができる。
2 輸入締約国の税関当局は、第3.16条12の規定に従って輸出締約国の権限のある政府当局から原産地証明書の発給の決定を取り消すとの通報を受領したときは、産品が当該輸出締約国原産品でないと決定し、関税上の特恵待遇を与えないことができる。
3 輸入締約国の税関当局は、次のいずれかの場合には、産品が輸出締約国原産品でないと決定し、関税上の特恵待遇を与えないことができるものとし、当該輸出締約国の権限のある政府当局に対して書面によりその旨の決定を送付する。
(a) 当該輸出締約国の権限のある政府当局が要請に対して第3.18条3又は前条5に規定する期間内に情報を提供しない場合
(b) 当該輸出締約国が訪問の実施を拒否する場合又は前条2の規定による書面による要請に対し同条4に規定する期間内に回答しない場合
(c) 前2条の規定に従い当該輸入締約国の税関当局に提供された情報が当該産品が当該輸出締約国原産品であることを証明するために十分でない場合
4 輸入締約国の税関当局は、場合に応じて前2条に規定する手続を実施した後、輸出締約国の権限のある政府当局に対し、産品が当該輸出締約国原産品であるか否かについての書面による決定(当該決定に係る事実認定及び法的根拠を含む。)を送付する。当該輸出締約国の権限のある政府当局は、この施設が前条に規定する訪問の対象となった輸出者又は当該輸出締約国に所在する産品生産者に対して、当該決定を通報する。
1 各締約国は、自国の法令に従い、この章の規定に従って自国に秘密のものとして提供される情報の秘密性を保持するものとし、また、当該情報をその提供者の競争的地位を害するおそれがある開示から保護する。
2 輸入締約国の税関当局がこの章の規定に従って入手した情報については、
(a) この章の規定の実施のために、当該輸入締約国の税関当局のみが使用することができる。
(b) 当該輸入締約国が裁判所又は裁判官の行ういかなる刑事手続においても使用してはならない。ただし、外交上の経路又は輸出締約国の関係法令に従って設けられたその他の経路を通じて、当該情報の提供が当該輸出締約国に要請され、かつ、当該情報が当該輸入締約国に提供された場合は、この限りでない。
輸入締約国の税関当局は、軽微な誤り(例えば、軽微な表情の相違又は語句の欠落、タイプの誤り、指定された欄からのはみ出し)を考慮しないものとする。ただし、当該軽微な誤りが原産地証明書に含まれる情報の正確性に疑いを生じさせるようなものではないことを条件とする。
1 各締約国は、原産地証明書の発給を受けた輸出者又は輸出締約国に所在する第3.16条8(b)に規定する生産者が、原産地証明書が発給される前に虚偽の申告書その他の文書を輸出締約国の権限のある政府当局はその指定団体に提出した場合には、自国の法令に従って、当該輸出者及び生産者に対して、適当な罰則その他の制裁を定め、又は維持する。
2 各締約国は、原産地証明書の発給を受けた輸出者又は輸出締約国に所在する第3.16条8(b)に規定する生産者が、原産地証明書が発給された後に当該原産地証明書の発給を受けた産品が当該輸出締約国原産品でないことを知ったにもかかわらず、当該輸出締約国の権限のある政府当局又はその指定団体に対して書面により遅滞なく通報することを怠った場合には、自国の法令に従って、当該輸出者及び生産者に対して適当と認める措置をとる。
注釈 原産地証明書の発給を受けた輸出者又は輸出締約国に所在する第3.16条8(b)に規定する生産者は、原産地証明書が発給された後に当該原産地証明書の発給を受けた産品が当該輸出締約国原産品でないことを知った後、当該輸出締約国の権限のある政府当局又はその指定団体に対して書面により遅滞なく通報した場合には、各締約国の法令に従い、この2に規定する措置の対象とならない。
1 各締約国は、原産地証明書の発給を受けた輸出者又は輸出締約国に所在する第3.16条8(b)に規定する生産者が、原産地証明書が発給される前に虚偽の申告書その他の文書を輸出締約国の権限のある政府当局はその指定団体に提出した場合には、自国の法令に従って、当該輸出者及び生産者に対して、適当な罰則その他の制裁を定め、又は維持する。
2 各締約国は、原産地証明書の発給を受けた輸出者又は輸出締約国に所在する第3.16条8(b)に規定する生産者が、原産地証明書が発給された後に当該原産地証明書の発給を受けた産品が当該輸出締約国原産品でないことを知ったにもかかわらず、当該輸出締約国の権限のある政府当局又はその指定団体に対して書面により遅滞なく通報することを怠った場合には、自国の法令に従って、当該輸出者及び生産者に対して適当と認める措置をとる。
注釈 原産地証明書の発給を受けた輸出者又は輸出締約国に所在する第3.16条8(b)に規定する生産者は、原産地証明書が発給された後に当該原産地証明書の発給を受けた産品が当該輸出締約国原産品でないことを知った後、当該輸出締約国の権限のある政府当局又はその指定団体に対して書面により遅滞なく通報した場合には、各締約国の法令に従い、この2に規定する措置の対象とならない。
輸入締約国と輸出締約国との間の連絡については、英語により行う。
1 両締約国は、この章の規定を効果的に実施し、及び運用するため、ここに原産地規則に関する小委員会(以下この条において「小委員会」という。)を設置する。
2 小委員会は、次のことを任務とする。
(a) 次のものに関し、検討を行い、及び必要な場合には合同委員会に対して適当な勧告を行うこと。
(i) この章の規定の実施及び運用
(ii) いずれかの締約国が提案する附属書2又は附属書3の改正
(iii) 次条に規定する原産地規則のための運用上の手続規則
(b) この章の規定に関連する他のあらゆる問題であって両締約国が合意するものについて検討すること。
(c) 合同委員会に対して小委員会の所見を報告すること。
(d) 合同委員会が委任するその他の任務を遂行すること。
3 小委員会は、両締約国政府の代表者から成る。
4 小委員会は、両締約国が合意する時期及び場所において又は手段によって会合を開催する。
合同委員会は、この協定の効力発生の日に、原産地規則のための運用上の手続規則を採択する。両締約国の税関当局、権限のある政府当局その他の関係当局は、同手続規則に定める詳細な規則に従って、この章の規定に基づく任務を遂行する。
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