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第A節 原産地規則

この章の規定の適用上、
「養殖」とは、成育又は成長の過程に対する生産を高めるための関与(通常の備蓄、給餌、捕食生物からの保護等)により、種苗(卵、稚魚、幼魚、幼生等)から水生生物(魚、軟体動物、甲殻類その他水棲無脊椎動物、水生植物等)を飼養することをいう。
代替性のある産品又は材料」とは、商取引において相互に交換することが可能な産品又は材料であって、それらの特性が本質的に同一のものをいう。
「一般的に認められている会計原則」とは、収益、経費、費用、資産又は負債の記録、情報の開示及び財務書類の作成に関して、締約国の領域において一般的に認められている、又は十分に権威のある支持を得ている会計原則をいう。これらの原則は、一般的に適用される概括的な指針並びに詳細な規準、慣行及び手続を含む。
産品」とは、商品、生産品、製品又は材料をいう。
間接材料」とは、産品生産、試験若しくは検査に使用される材料(当該産品に物理的に組み込まれないものに限る。)又は産品生産に関連する建物の維持若しくは設備の稼働のために使用される材料をいい、次のものを含む。
(a) 燃料、エネルギー、触媒及び溶剤
(b) 当該産品の試験又は検査に使用される設備、装置及び備品
(c) 手袋、眼鏡、履物、衣類並びに安全のための設備及び備品
(d) 工具、ダイス及び鋳型
(e) 設備及び建物の維持のために使用される予備品及び材料
(f) 生産の過程で使用され、又は設備及び建物の稼働のために使用される潤滑剤、グリース、コンパウンド材その他の材料
(g) 産品に組み込まれない他の材料であって、当該産品生産における使用が当該生産の一部であると合理的に示すことができるもの
材料」とは、他の産品生産に使用される産品をいう。
非原産品」又は「非原産材料」とは、この章の規定に従って原産品とされない産品又は材料をいう。
原産品」又は「原産材料」とは、この章の規定に従って原産品とされる産品又は材料をいう。
「輸送用のこん包材料及びこん包容器」とは、他の産品を輸送中に保護するために使用される産品(小売用に包装された産品の包装材料及び包装容器を含まない。)をいう。
生産者」とは、産品生産を行う者をいう。
生産」とは、産品の栽培、耕作、成育、採掘、収穫、漁ろう、わなかけ、狩猟、捕獲、収集、繁殖、抽出、養殖、採集、製造、加工又は組立てを含む作業をいう。
「取引価額」とは、産品が輸出のために販売されるに当たって現実に支払われた若しくは支払われるべき価格又は関税評価協定に従って決定されるその他の価額をいう。
産品の価額」とは、産品の取引価額から当該産品の国際輸送に要する費用を除いたものをいう。
締約国は、この章に別段の定めがある場合を除くほか、次のいずれかの産品であって、この章に規定する他の全ての関連する要件を満たすものを原産品とすることを定める。
(a) 1又は2以上の締約国の領域において完全に得られ、又は生産される産品であって、次条(完全に得られ、又は生産される産品)に定めるもの
(b) 1又は2以上の締約国の領域において原産材料のみから完全に生産される産品
(c) 1又は2以上の締約国の領域におけて非原産材料を使用して完全に生産される産品であって、附属書3-D(品目別原産地規則)に定める全ての関連する要件を満たすもの
締約国は、前条(原産品)の規定の適用上、次に掲げる産品を、1又は2以上の締約国の領域において完全に得られ、又は生産される産品とすることを定める。
(a) 当該領域において栽培され、耕作され、収穫され、採取され、又は採集される植物又は植物性生産
(b) 生きている動物であって、当該領域において生まれ、かつ、成育されたもの
(c) 当該領域において生きている動物から得られる産品
(d) 当該領域において狩猟、わなかけ、漁ろう、採集又は捕獲により得られる動物
(e) 当該領域において養殖により得られる産品
(f) 当該領域から抽出され、又は得られる鉱物その他の天然の物質((a)から(e)までに規定するものを除く。)
(g) 締約国の領域の外側であって国際法に基づき非締約国の領海の外側にある海、海底又はその下(注)から締約国において登録され、名簿に掲載され、又は記録され、及び当該締約国を旗国とする船舶により得られる魚介類その他の海洋生物
注 この章のいかなる規定も、海洋法の諸問題に関する締約国の立場を害するものではない。
(h) 締約国において登録され、名簿に掲載され、又は記録され、及び当該締約国を旗国とする工船の船上において、(g)に規定する産品から生産される産品
(i) 締約国又は締約国の者により、締約国の領域の外側であって非締約国が管轄権を行使する区域の外側にある海底又はその下から得られる産品(魚介類その他の海洋生物を除く。)ただし、当該締約国又は締約国の者が、国際法に基づき、当該海底又はその下を開発する権利を有することを条件とする。
(j) 次のいずれかの産品
(i) 当該領域における生産から生ずる廃品又はくず
(ii) 当該領域において収集される使用済みの産品から生ずる廃品又はくずであって、原材料の回収にのみ適するもの
(k) 当該領域において専ら(a)から(j)までに規定する産品又はそれらの派生物から生産される産品
1 各締約国は、1又は2以上の締約国の領域において取得される回収された材料が、再製造品の生産に使用され、及び再製造品に組み込まれる場合には、原産品として取り扱われることを定める。
2 (a) 再製造品は、第3・2条(原産品)に規定する関連する要件を満たすときにのみ原産品とする。
(b) 再製造品の生産に使用されず、又は組み込まれない回収された材料は、第3・2条(原産品)に規定する関連する要件を満たすときにのみ原産品とする。
1 各締約国は、産品原産品であるかどうかを決定するため、この章(関連するこの章の附属書を含む。)に定める当該産品域内原産割合の要件を次のいずれかの計算式により算定することを定める。
(a) 重点価額方式(特定の非原産材料の価額に基づく計算式)
    産品の価額 — FVNM
RVC = ————————————— ×100
      産品の価額
(b) 控除方法(非原産材料の価額に基づく計算式)
    産品の価額 — VNM
RVC = ————————————— ×100
      産品の価額
(c) 積上げ方式原産材料の価額に基づく計算式)
       VOM
RVC =————————————— ×100
      産品の価額
(d) 純費用方式(自動車関連産品にのみ適用する計算式)
      NC — VNM
RVC = ————————————— ×100
        NC
この場合において、
RVC」とは、100分率で表示される産品域内原産割合をいう。
VNM」とは、産品生産において使用される非原産材料(原産地不明の材料を含む。)の価額をいう。
「NC」とは、第3・9条(純費用)の規定に従って決定される産品の純費用をいう。
「FVNM」とは、附属書3-D(品目別原産地規則)の適用可能な品目別規則において特定され、かつ、産品生産において使用される非原産材料(原産地不明の材料を含む。)の価額をいう。同附属書の適用可能な品目別規則において特定されない非原産材料は、FVNMを決定するに当たり考慮されない。
VOM」とは、1又は2以上の締約国の領域において産品に使用される原産材料の価額をいう。
2 各締約国は、域内原産割合の算定のために考慮される全ての費用については、産品生産される締約国の領域において適用される一般的に認められる会計原則に従い、記録し、かつ、その記録を保管することを定める。
1 各締約国は、非原産材料について、この章に規定する要件を満たすような更なる生産が行われる場合において、その後に生産された産品原産品であると決定するときは、当該非原産材料は、当該産品生産者によって生産されたどうかにかかわらず、原産材料として取り扱われることを定める。
2 各締約国は、非原産材料産品生産に使用される場合において、次の価額については、当該産品域内原産割合の要件を満たすかどうかを決定するに当たり、原産割合の一部として算入することができることを定める。
(a) 1又は2以上の締約国の領域において行われる当該非原産材料の加工に係る価額
(b) 1又は2以上の締約国の領域において行われる当該非原産材料生産に使用される原産材料の価額
締約国は、この章の規定の適用上、材料の価額を次のいずれかとすることを定める。
(a) 産品生産者によって輸入される材料については、輸入時の当該材料の取引価額(当該材料の国際輸送に要する費用を含む。)
(b) 産品生産される領域において取得される材料については、次のいずれかとする。
(i) 生産者が所在する締約国において当該生産者によって支払われた又は支払われるべき価格
(ii) (a)に定める輸入される材料の価額として決定される価額
(iii) 締約国の領域において確認可能な最初の支払われた又は支払われるべき価額
(c) 産品生産者が自ら生産する材料については、次の(i)及び(ii)に規定する価額の合算額とする。
(i) 当該材料生産に要する全ての費用(一般経費を含む。)
(ii) 通常の取引において付加される利得に相当する額又は価額を決定しようとする当該材料と同一の区分若しくは種類の産品の販売において通常反映される利得と等しい額
1 各締約国は、原産材料について、次の経費が前条(生産に使用される材料の価額)に規定する価額に含まれない場合には、当該経費を当該原産材料の価額に加算することができることを定める。
(a) 産品生産者の所在地まで当該原産材料を輸送するために要する運賃、保険料、こん包費その他の全ての費用
(b) 1又は2以上の締約国の領域において支払われる当該原産材料に対する関税、内国税及び通関手数料(免除され、若しくは払い戻される関税及び内国税又は払戻しその他の方法により回収することができる関税及び内国税(支払われた又は支払われるべき関税又は内国税からの控除の額を含む。)を除く。)
(c) 産品生産における当該原材料の使用から生ずる無駄になった部分及び使い損じた部分の材料の費用(再利用可能なくず又は副産物の価額を差し引いたものをいう。)
2 各締約国は、非原産材料又は原産地不明の材料について、その価額から次の経費を控除することができることを定める。
(a) 産品生産者の所在地まで当該非原産材料又は原産地不明の材料を輸送するために要する運賃、保険料、こん包費その他の全ての費用
(b) 1又は2以上の締約国の領域において支払われる当該非原産材料又は原産地不明の材料に対する関税、内国税及び通関手数料(免除され、若しくは払い戻される関税及び内国税又は払戻しその他の方法により回収することができる関税及び内国税(支払われた又は支払われるべき関税又は内国税からの控除の額を含む。)を除く。)
(c) 産品生産における当該非原産材料又は原産地不明の材料の使用から生ずる無駄になった部分及び使い損じた部分の材料の費用(再利用可能なくず又は副産物の価額を差し引いたものをいう。)
3 1若しくは2に規定する費用若しくは経費が不明である場合又はその調整額に関する書面の証拠がない場合には、当該費用又は経費についての価額の調整は、認められない。
1 各締約国は、附属書3-D(品目別原産地規則)において第8407・31号から第8407・34号までの各号、第8408・20号、第8409・91号から第8409・99号までの各号、第87・01項から第87・09項までの各項又は第87・11項の自動車関連産品原産品であるかどうかを決定するための域内原産割合の要件について規定している場合には、当該自動車関連産品原産品であることを決定する純費用方式に基づく当該要件について、第3・5条(域内原産割合)に規定するところにより算定することを定める。
2 この条の規定の適用上、
(a) 「純費用」とは、総費用から、当該総費用に含まれる販売促進、マーケティング及びアフターサービスに係る費用、使用料、輸送費及びこん包費並びに不当な利子を減じたものをいう。
(b) 「自動車関連産品の純費用」とは、次のいずれの方法を用いて自動車関連産品に合理的に割り当てることができる純費用をいう。
(i) 生産者によって生産される全ての自動車関連産品に関連して生ずる総費用を算定し、当該全ての自動車関連産品の総費用に含む販売促進、マーケティング及びアフターサービスに係る費用、使用費、輸送費及びこん包費並びに不当な利子を減じた後に、これにより得られる当該全ての自動車関連産品の純費用を当該自動車関連産品に合理的に割り当てる方法
(ii) 生産者によって生産される全ての自動車関連産品に関連して生ずる総費用を算定し、当該総費用を当該自動車関連産品に合理的に割り当てた後に、販売促進、マーケティング及びアフターサービスに係る費用、使用料、輸送費及びこん包費並びに不当な利子であって、当該総費用のうち当該自動車関連産品に割り当てられる部品を減ずる方法
(iii) 当該自動車関連産品に関連して生じた総費用の一部を成す各費用について、それらの総計に販売促進、マーケティング及びアフターサービスに係る費用、使用料、輸送費及びこん包費並びに不当な利子が含まれることとならないよう、当該各費用を合理的に割れ当てる方法。ただし、これらの全ての費用の割当てが、一般的に認められる会計原則に定める費用の合理的な割当てに関する規定に適合して行われる場合に限る。
3 各締約国は、第87・01項から第87・06項までの各項又は第87・11項の自動車について純費用方式を適用して算定を行うに当たり、次のいずれかの区別を用い、かつ、その区分の全ての自動車又は当該区分の自転車のうち他の締約国の領域へ輸出されるもののみのいずれかを基準として、生産者の会計年度の平均をとることができることを定める。
(a) 締約国の領域の同一の工場において生産される同一の車種で同一のモデルラインの自動車
(b) 締約国の領域の同一の工場において生産される同一の車種の自動車
(c) 締約国の領域において生産される同一のモデルラインの自動車
(d) 締約国において決定する他の区分
4 各締約国は、同一の工場において生産される第8407・31号から第8407・34号までの各号、第8408・20号、第84・09項、第87・06項、第87・07項又は第87・08項の自動車関連材料たる自動車関連産品について1及び2に規定する純費用方式を適用して算定を行うに当たり、次のいずれかの期間の平均をとることができることを定める。
(a) 当該自動車関連産品の販売相手である自動車の生産者の会計年度
(b) 任意の四半期又は月
(c) 当該自動車関連材料たる自動車関連産品生産者の会計年度
ただし、当該自動車関連産品が当該産品の基準となる会計年度、四半期又は月の間に生産されたものであることを条件とする。当該算定は、(a)又は(b)に規定する期間の平均をとる場合には、次のいずれかの方法による。
(i) (a)に規定する期間の平均について、1又は2以上の自動車の生産者に販売される自動車関連産品ごとに算定する方法
(ii) (a)又は(b)に規定する機関の平均について、他の締約国の領域に輸出される自動車関連産品ごとに算定する方法
5 この条の規定の適用上、
(a) 「車種」とは、次のいずれかの自動車の区分をいう。
(i) 第8701・20号に分類される自動車、第8702・10号又は第8702・90号に分類される自動車であって16人以上の人員の輸送用のもの及び第8704・10号、第8704・22号、第8704・23号、第8704・32号、第8704・90号、第87・05項又は第87・06項に分類される自動車
(ii) 第8701・10号又は第8701・30号から第8701・90号までの各号に分類される自動車
(iii) 第8702・10号又は第8702・90号に分類される自動車であって15人以下の人員の輸送用のもの及び第8704・21号又は第8704・31号に分類される自動車
(iv) 第8703・21号から第8703・90号までの各号に分類される自動車
(v) 第87・11項に分類される自動車
(b) 「モデルライン」とは、同一の車台又はモデルの名称を有する自動車の一群をいう。
(c) 「不当な利子」とは、生産者が負う利子としての費用であって、当該生産者が所在する締約国の中央政府が発行する同種の満期の借入債券の利回りに7パーセントを加えた水準を上回るものをいう。
(d) 「合理的に割り当てる」とは、一般的に認められている会計原則に従って適当な方法で分配することをいう。
(e) 「使用料」とは、著作権、文学上、芸術上若しくは学術上の著作物、特許権、意匠、模型、図面、秘密方式若しくは秘密工程の使用又は使用の権利の対価として発生する全ての種類の支払金(技術支援又は類似の合意に基づく支払金を含む。)をいい、次のものを含む特定のサービスに関連し得る技術支援又は類似の合意に基づく支払金を除く。
(i) 人員の訓練(当該訓練が行われる場所を問わない。)
(ii) エンジニアリング、設備の据付け、型の取付け、ソフトウェア・デザイン及び類似のコンピューターに係るサービスその他サービス(1又は2以上の締約国の領域において行われる場合に限る。)
(f) 「販売促進、マーケティング及びアフターサービスに係る費用」とは、即売促進、マーケティング及びアフターサービスに関連する次のものに係る費用をいう。
(i) 販売及びマーケティングの促進、メディア広告、広告及び市場調査、販売促進及び実演説明のための資料、展示、販売会議、展示会及び見本市、バナー、マーケティングのための陳列、無料の見本、販売、マーケティング及びアフターサービスに係る印刷物(産品のパンフレット、カタログ、専門図書、価格リスト、サービスマニュアル及び販売支援情報)、ロゴ及び商標の設定及び保護、後援、卸売及び小売の在庫補充料並びに接待
(ii) 販売及びマーケティングの奨励金、消費者、小売業者又は卸売業者への払戻し並びに商品の奨励金
(iii) 給料及び賃金、販売手数料、賞与、手当(例えば、医療、保険又は年金に係るもの)、旅費及び住居費並びに販売促進、マーケティング及びアフターサービスのための人材の雇用に係る会費及び報酬
(iv) 販売促進、マーケティング及びアフターサービスのための人材の採用及び訓練並びに顧客に対応する従業員に対するアフターサービスのための訓練(これらに係る費用が生産者の財務書類又は原価計算書において産品の販売促進、マーケティング及びアフターサービスのためのものとして区別して特定される場合に限る。)
(v) 産品に係る賠償責任保険
(vi) 産品の販売促進、マーケティング及びアフターサービスのための事務用品(これらに係る費用が生産者の財務書類又は原価計算書において産品の販売促進、マーケティング及びアフターサービスのためのものとして区別して特定されている場合に限る。)
(vii) 電話、郵便その他の通信(これらに係る費用が生産者の財務書類又は原価計算書において産品の販売促進、マーケティング及びアフターサービスのためのものとして区別して特定されている場合に限る。)
(viii) 販売促進、マーケティング及びアフターサービスのための事務所及び流通センターの賃貸料及び減価償却費
(ix) 産品の発売促進、マーケティング及びアフターサービスのための事務所及び流通センターに係る資産保険料、税、公共料金並びに修理及び保全(これらに係る費用が生産者の財務処理又は原価計算書において製品の販売促進、マーケティング及びアフターサービスのためのものとして区別として特定されている場合に限る。)
(x) 保証期間内の修理に係る生産者から他の者への支払
(g) 「輸送費及びこん包費」とは、産品を輸送するためのこん包及び買手に直接引渡しを行うまでの輸送に要する費用をいい、当該産品の小売のための準備及び包装に係る費用を除く。
(h) 「総費用」とは、産品を係る全ての生産原価、期間原価及び他の費用であって、1又は2以上の締約国の領域において生ずるものをいう。この場合において、
(i) 製品原価は、産品生産に関連する費用があり、材料の価額、直接労務費及び直接経費を含む。
(ii) 期間原価は、その生ずる期間内に経費として請求される費用(製品原価を除く。)であり、販売費用及び一般管理費を含む。
(iii) 他の費用は、生産者の帳簿に記録される製品原価及び期間原価以外の全ての費用であり、利子を含む。
総費用には、生産者が取得する利得(当該生産者により留保されているか又は配当金として他の者に支払われるかを問わない。)及び当該利得について納入される税(譲渡収益税を含む。)を含まない。
1 各締約国は、産品が1又は2以上の締約国の領域において1又は2以上の生産者によって生産される場合には、当該産品原産品であることを定める。ただし、当該産品が第3・2条(原産品)に定める要件及びこの章に規定する他の全ての関連する要件を満たす場合に限る。
2 各締約国は、他の締約国の領域において他の産品生産に使用される1又は2以上の締約国原産品又は原産材料を当該他の締約国の領域における原産品又は原産材料とみなすことを定める。
3 各締約国は、1又は2以上の締約国の領域において1又は2以上の生産者により非原産材料について生産が行われる場合には、当該生産が当該非原産材料自体に原産品としての資格を与えるために十分であったかどうかにかかわらず、産品原産品であるかどうかを決定するに当たり、当該生産を当該産品の原産割合の一部として考慮することができることを定める。
1 各締約国は、附属書3-C(第3・11条(僅少の非原産材料)の規定の例外)に規定する場合を除くほか、産品が附属者3-D(品目別原産地規則)に定める適用可能な関税分類の変更の要件を満たさない非原産材料を含む場合であっても、当該産品に含まれる全ての当該非原産材料の価額が当該産品の価額(第3・1条(定義)に定めるもの)の10パーセントを超えず、かつ、当該産品がこの章に規定する他の全ての関連する要件を満たすときは、当該産品原産品とすることを定める。
2 1の規定は、他の産品生産において非原産材料を使用している場合にのみ、適用する。
3 1に規定する産品域内原産割合の要件の対象にもなる場合には、当該産品に含まれる非原産材料の価額に、適用可能な域内原産割合の要件の対象にも場合には、当該産品に含まれる非原産材料の価額は、適当可能な域内原産割合の要件においては、非原産材料の価額に含める。
4 繊維又は繊維製品については、1の規定に代えて第4・2条(原産地規則及び関連事項)の規定を適用する。
締約国は、代替性のある産品又は材料について、次のいずれかに基づく場合には原産品又は原産材料として取り扱うことを定める。
(a) 各々の代替性のある産品又は材料が物理的に分離していること。
(b) 代替性のある産品又は材料が混在している場合には、一般的に認められている会計原則を基づく在庫管理方式が使用されていること。ただし、選択された在庫管理方式が当該在庫管理方式を選択した者の会計年度を通じて使用される場合に限る。
1 各締約国は、次のことを定める。
(a) 産品が、完全に得られるかどうか又は附属書3-D(品目別原産地規則)に定める加工の要件若しくは関税分類の変更の要件を満たすかどうかを決定する場合には、3に規定する附属品、予備部品、工具又は解説資料その他の資料については、考慮しないこと。
(b) 産品域内原産割合の要件を満たすかどうかを決定する場合には、当該産品域内原産割合を算定するに当たり、3に規定する附属品、予備部品、工具又は解説資料その他の資料の価額を場合に応じて原産材料又は非原産材料として考慮すること。
2 各締約国は、産品の3の規定する附属品、予備部品、工具又は解説資料その他の資料が当該産品と共に納入される場合には、原産品としての資格を有することを定める。
3 附属品、予備部品、工具又は解説資料その他の資料は、次の場合には、この条の規定の適用の対象となる。
(a) 附属品、予備部品、工具及び解説資料その他の資料が、産品に含まれるものとして分類され、及び当該産品と共に納入され、並びにその仕入書が当該産品の仕入書と別立てにされない場合
(b) 附属品、予備部品、工具及び解説資料その他の資料の種類、数量及び価額が(a)に規定する産品について慣習的なものである場合
1 各締約国は、産品を小売用に包装するための包装材料及び包装容器については、当該産品に含まれるものとして分類される場合には、当該産品生産に使用された全ての非原産材料が附属書3-D(品目別原産地規則)に定める適用可能な加工の要件を若しくは関税分類の変更の要件を満たしているかどうか又は当該産品が完全に得られ、若しくは生産されるかどうかを決定するに当たって考慮しないことを定める。
2 各締約国は、産品域内原産割合の要件を対象となる場合において、当該産品を小売用に包装する包装材料及び包装容器については、当該産品に含まれるものとして分類されるときは、当該産品域内原産割合を算定するに当たり、その価額を場合に応じて原産材料又は非原産材料として考慮することを定める。
締約国は、輸送用のこん包材料及びこん包容器については、産品原産品であるかどうかを決定するに当たって考慮しないことを定める。
締約国は、間接材料については、生産される場所のいかんを問わず、原産材料とみなすことを定める。
1 各締約国は、統一システムの解釈に関する通則3(a)又は(b)の規定の適用の結果として関税分類が決定されるセットについて、当該セットの原産品としての資格は、当該セットに適用される品目別原産地規則に従って決定されることを定める。
2 各締約国は、統一システムの解釈に関する通則3(c)の規定の適用の結果として関税分類が決定されるセットについて、当該セットを構成する各産品原産品であり、かつ、当該セット及び当該各産品がこの章に規定する他の関連する要件を満たすときに限り、当該セットを原産品とすることを定める。
3 2の規定にかかわらず、統一システムの解釈に関する通則3(c)の規定の適用の結果として関税分類が決定されるセットについて、当該セットに含まれる全ての非原産材料の価額が当該セットの価額の10パーセットを超えない場合には、当該セットを原産品とする。
4 3の規定の適用上、セットに含まれる非原産品の価額及び当該セットの価額は、非原産材料の価額及び産品の価額と同じ方法で算定する。
1 各締約国は、原産品が非締約国の領域を通過することなく輸入締約国へ輸送される場合には、当該産品原産品としての資格を維持することを定める。
2 各締約国は、原産品が1又は2以上の非締約国の領域を経由して輸送される場合であっても、次の要件を満たすときは、当該原産品原産品としての資格を維持することを定める。
(a) 締約国の領域外において当該産品についていかなる作業も行われていないことを。ただし、積卸し、ばら積み貨物からの分離、蔵置、輸入締約国の要求に基づいて行われるラベル又は証票による表示及び当該原産品を良好な状態に保存するため又は輸入締約国の領域へ当該原産品を輸送するために必要な他の作業を除く。
(b) 当該産品が非締約国の領域にあたる間、当該非締約国の税関当局の監督の下に置かれていること。

第B節 原産地手続

締約国は、附属書3-A(その他の制度)に別段の定めがある場合を除くほか、この節に規定する手続を適用する。
1 各締約国は、附属書3-A(その他の制度)に別段の定めがある場合を除くほか、輸出者生産者又は輸入者によって作成された原産地証明書に基づき、当該輸入者が関税上の特恵待遇の要求を行うことができることを定める(注1、注2)。
注1 この章のいかなる規定も、締約国が、原産地証明書を作成する自国の領域の輸入者、輸出者又は生産者に対し、当該原産地証明書を裏付けることができることを示すよう要求することを妨げるものではない。
注2 ブルネイ・ダルサラーム国、マレーシア、メキシコ、ペルー及びベトナムについては、輸入者による原産地証明書に関するこの1の規定の実施は、この協定がそれぞれの締約国について効力を生ずる日の後5年以内に行われる。
2 輸入締約国は、次のことを行うことができる。
(a) 原産地証明書を作成する輸入者に対し、当該原産地証明書を裏付けるための文書その他の情報を提供するよう要求すること。
(b) 輸入者が原産地証明書を作成するために満たされなければならない条件を自国の法令を定めること。
(c) 輸入者が(b)の規定に基づいて定められる条件を満たさない場合又は満たされなくなった場合には、当該輸入者が自己の作成した原産地証明書を関税上の特恵待遇の要求の根拠として提供することを禁止すること。
(d) 関税上の特恵待遇の要求が輸入者の作成した原産地証明書に基づいて行われている場合には、当該輸入者がその後同一の輸入について輸出者又は生産者が作成した原産地証明書に基づいて関税上の特恵待遇を要求することを禁止すること。
3 各締約国は、原産地証明書について、次のことを定める。
(a) 所定の様式に従うことを要しないこと。
(b) 書面(電子的な手段を含む。)によるものであること。
(c) 産品原産品であり、かつ、この章に規定する要件を満たすものであることを記載すること。
(d) 附属書3-B(必要的記載事項)に定める一連の必要的記載事項を含めること。
4 各締約国は、原産地証明書について、次のいずれかに適用することができることを定める。
(a) 締約国の領域への産品の1回限りの輸送
(b) 原産地証明書に記載する12ヵ月を超えない期間における同一の産品の2回以上の輸送
5 各締約国は、原産地証明書について、作成される日の後1年間又は輸入締約国の法令に規定するこれよりも長い期間有効なものとすることを定める。
6 各締約国は、輸入者が英語による原産地証明書を提出することを認める。原産地証明書が英語によるものでない場合には、輸入締約国は、当該輸入者に対し、自国の言語による翻訳文を提出するよう要求することができる。
1 各締約国は、生産者産品原産品であることを証明する場合には、当該産品原産品であることについての当該生産者が有する情報に基づいて原産地証明書が作成されることを定める。
2 各締約国は、輸出者産品生産者でない場合には、当該産品の輸出社が次のいずれかに基づいて原産地証明書を作成することができることを定める。
(a) 当該産品原産品であることについての輸出者が有する情報
(b) 当該産品原産品であることについての生産者が有する情報に対する合理的な信頼
3 各締約国は、産品の輸入者が次のいずれかに基づいて原産地証明書を作成することができることを定める。
(a) 当該産品原産品であることについての輸入者が有する書類
(b) 当該産品原産品であることについての輸出者又は生産者から提供された裏付けとなる書類に対する合理的な信頼
4 1又は2のいかなる規定も、締約国が、輸出者又は生産者に対し、原産地証明書を作成し、又は原産地証明書を他の者に提供することを要求することを認めるものと解してはならない。
締約国は、原産地証明書における軽微な誤り又は表現の相違により自国が原産地証明書の受理を拒否してはならないことを定める。
いずれの締約国も、次のいずれかの場合の輸入については、原産地証明書を要求してはならない。ただし、当該輸入が、この協定に基づく関税上の特恵待遇を要求について規律する輸入締約国の法令に従うことを回避することを目的として行われ、又は計画された一連の輸入の一部を構成しないことを条件とする。
(a) 輸入品の課税価額が1,000アメリカ合衆国ドル若しくは輸入締約国の通貨によるその相当額又は輸入締約国の設定するこれよりも高い額を超えない場合
(b) 輸入締約国が輸入者に対して原産地証明書を提出する義務を免除した産品又はその提出を要求しない産品の輸入の場合
1 各締約国は、この章に別段の定めがある場合を除くほか、輸入者が、関税上の特恵待遇を要求することを目的として次のことをすることを定める。
(a) 産品原産品であることについて申告(注)を行うこと。
締約国は、自国の申告の要件について、利害関係者が知ることができるような方法により公表され、又は利用可能なものとなっている法令又は手続において定める。
(b) (a)に規定する申告を行う際に有効な原産地証明書を所持すること。
(c) 輸入締約国が要求する場合には、当該輸入締約国に対し、原産地証明書の写しを提出すること。
(d) 当該締約国が第3・18条(通過及び積替え)に規定する要件を満たしていることを示すよう要求する場合には、関連する書類(運送書類、(蔵置する場合には)蔵置又は税関の書類等)を提出すること。
2 各締約国は、輸入者が、原産地証明書がその正確性又は有効性に影響を及ぼし得る誤った情報に基づいたものであると信ずるに足りる理由がある場合には、当該輸入者が、輸入書類を訂正し、並びに納付すべき関税を納付し、及び当該するときは罰金を支払うことを定める。
3 いずれの輸入締約国も、輸入者が、関税上の特恵待遇を要求が有効でないことを知り、当該輸入締約国が誤りを発見する前に自発的に当該要求を修正し、及び当該輸入締約国の法令で定める条件に従って適当な関税を納付する場合には、当該輸入者に対し、無効な関税上の特恵待遇の要求を行ったことについて罰則を科してはならない。
1 各締約国は、自国の領域の輸出者又は生産者であって原産地証明書を作成する者が、輸出締約国の要請に応じて当該原産地証明書の写しを当該輸出締約国に提出することを定める。
2 各締約国は、他の締約国の領域に輸出される産品原産品であるとの主張を裏付けるために自国の領域の輸出者又は生産者が提出する原産地証明書その他の情報が虚偽である場合には、自国の領域の輸入者が輸入について虚偽の申告又は陳述を行う場合に伴う法的な帰結と同様の法的な帰結(前者の法的な帰結について適当な修正を行ったもの)を伴うことを定めることができる。
3 各締約国は、自国の領域の輸出者又は生産者が原産地証明書を提出した場所において、当該輸出者又は生産者が、当該原産地証明書に不正確な情報が含まれており、又は当該原産地証明書が不正確な情報に基づいていると信ずるに足りる理由があるときは、当該輸出者又は生産者が、当該原産地証明書を提出して全ての者及び締約国に対し、その正確性又は有効性に影響を及ぼし得るいかなる変更についても書面により速やかに通報することを定める。
1 各締約国は、自国の領域に輸入される産品について関税上の特恵待遇を要求する輸入者が、当該産品の輸入の日から少なくとも5年間、次のものを保管することを定める。
(a) 当該輸入に関する文書(その要求の根拠となった原産地証明書を含む。)
(b) その要求が当該輸入者が作成した原産地証明書を基づく場合には、当該産品原産品であり、かつ、関税上の特恵待遇を受ける資格を有することを示すために必要な全ての記録
2 各締約国は、原産地証明書を提供した自国の領域の生産者又は輸出者が、当該原産地証明書の作成の日から少なくとも5年間、当該輸出者又は生産者が提供した原産地証明書に記載した産品原産品であることを示すために必要な全ての記録を保管することを定める。各締約国は、産品原産品であることを示すために用いることができる記録の類型についての情報を利用可能なものとするように努める。
3 各締約国は、自国の領域の輸入者、輸出者又は生産者が、1及び2に規定する記録の保管について、自国の法令に従い、速やかに取り出すことができるいずれの触媒(電子的、光学的若しくは磁気的媒体又は書面を含む。)によるものを選択することができることを定める。
1 輸入締約国は、自国の領域に輸入される産品原産品であるかどうかを決定するため、次の1又は2以上の手段により、関税の特恵待遇の要求について確認を行うことができる(注)。
注 この条の規定の適用上、この条の規定を従って収集される情報は、この章の規定の効果的な実施を確保するために使用されなければならない。締約国は、この条に定める手続を他の目的で情報を収集するために用いてはならない。
(a) 当該産品の輸入者に対し、情報について書面により要請すること。
(b) 当該産品輸出者又は生産者に対し、情報について書面により要請すること。
(c) 当該産品輸出者又は生産者の施設に確認のための訪問を行うこと。
(d) 繊維又は繊維製品については、第4・6条(確認)に規定する手続を取ること。
(e) 当該輸入締約国と当該産品輸出者又は生産者が所在する締約国との間で決定するその他の手続をとること。
2 輸入締約国は、確認を行う場合には、輸入者、輸出者又は生産者から直接情報を受領する。
3 輸入締約国は、関税上の特恵待遇の要求が輸出者又は生産者が制作した原産地証明書に基づく場合において、1(a)の規定に基づいて行う情報についての要請に対し、輸入者が当該輸入締約国に情報を提供せず、又は提供された情報が関税上の特恵待遇の要求を裏付けるのに十分でないときは、当該要求を否認する前に、1(b)又は(c)の規定に基づき、当該輸出者又は生産者に対し、当該要求を裏付けるための情報について要請する。当該輸入締約国は、6(e)に規定する期間内に当該確認(1(b)又は(c)の規定に基づく当該輸出者又は生産者に対する追加的な要請を含む。)を完了する(注)。
締約国は、関税上の特恵待遇の要求が輸入者の作成した原産地証明書に基づいて行われる場合には、輸出者若しくは生産者に対して当該要求を裏付けるために情報を要請すること若しくは生産者を通じた確認を完了することを要求されない。
4 1(a)から(c)までの規定に基づいて行う情報又は確認のための訪問についての書面による要請は、次の要件を満たすものでなければならない。
(a) 英語又は当該要請を受ける者の締約国の公用語によること。
(b) 当該要請を送付する政府機関を特定する事項を含むこと。
(c) 当該要請の理由(当該要請を行う締約国が確認により解決を求める問題の特定を含む。)を明記すること。
(d) 確認の対象となる産品を特定するための十分な情報を含むこと。
(e) 当該産品と共に提供された関連情報(原産地証明書を含む。)の写しを含むこと。
(f) 確認のための訪問を行う場合には、その施設に当該訪問を受ける輸出者又は生産者の書面による同意を要請すること並びに当該訪問の実施を希望する日、場所及び具体的な目的を明記すること。
5 輸入締約国は、1(b)又は(c)の規定に従って確認を開始した場合には、輸入者に対し当該確認の開始について通報する。
6 輸入締約国は、1(a)から(c)までの規定に基づく確認を行うに当たり、次のことを行う。
(a) 情報又は確認のための訪問の期間中に検討されることになる書類についての書面による要請について、それらの対象が産品原産品であるかどうかを決定するための情報又は書類に限定されることを確保すること。
(b) 輸入者、輸出者又は生産者が回答するために必要な情報又は書類を特定することができるよう、(a)に規定する情報又は書類について十分詳細に説明すること。
(c) 輸入者、輸出者又は生産者に対し、回答するため、1(a)又は(b)の規定に基づく情報についての書面による要請の受領の日から少なくとも30日の期間を与えること。
(d) 輸出者又は生産者に対し、1(c)の規定に基づく確認のための訪問についての書面による要請に同意するため、又は当該要請を拒否するため、当該要請の受領の日から30日の期間を与えること。
(e) 確認の後、できる限り速やかに、遅くとも決定を行うために必要な情報(適当な場合には、9の規定に基づいて受領する情報を含む。)を受領した後90日以内にかつ、1の規定に基づいて最初の情報についての要請その他の行動をとった後365日以内に、決定を行うこと。締約国は、自国の法令によって認められている場合には、関係する技術的情報が非常に複雑である事案等の例外的な事案について、その365日の期間を延長することができる。
7 輸入締約国は、1(b)の規定に基づいて確認の要請を行う場合には、輸出者又は生産者が所在する締約国の求めに応じ、自国の法令に従い、当該輸出者又は生産者が所在する締約国に通報する。当該輸出者又は生産者が所在する締約国は、更に、当該輸入締約国の求めに応じ、適当と認める場合には、自国の法令に従い、当該確認を支援することができる。その支援には、当該確認のための連絡先を提供すること、当該輸入締約国に代わって当該輸出者又は生産者から情報を収集すること及び当該輸入締約国産品原産品であるかどうかを決定することができるようにするためのその他の活動を含めることができる。当該輸入締約国は、当該輸出者又は生産者が所在する締約国が、要請された支援を行わなかったことのみを理由として、関税上の特恵待遇の要求を否認してはならない。
8 輸入締約国は、1(c)の規定に基づいて確認を開始する場合には、訪問の要請を行う時に、輸出者又は生産者が所在する締約国に通報し、当該輸出者又は生産者が所在する締約国の職員が当該訪問の期間中当該輸出者又は生産者に同行する機会を与える。
9 輸入締約国は、書面による決定を送付する前に、輸入者及び当該輸入締約国に触接情報を提供した輸出者又は生産者に対して確認の結果を通報し、並びに関税上の特恵待遇を否認する意図を有する場合には、これらの者に対し、産品原産品であることに関する追加的な情報の提供のために少なくとも30日の期限を与える。
10 輸入締約国は、次のことを行う。
(a) 輸入者に対し、産品原産品であるかどうかについての書面による決定(当該決定の懇書を含む。)を送付すること。
(b) 確認の期間中に情報を提供し、又は産品原産品であることの証明を行った輸入者、輸出者又は生産者に対し、当該確認の結果及びその理由を提供すること。
11 輸入締約国は、確認の期間中、自国の法令に定める関税の支払又は担保の提供が行われることを条件として、産品の引取りを認める。当該輸入締約国は、当該確認の結果として当該産品原産品であると決定する場合には、当該産品に関税上の特恵待遇を与え、及び超過して徴収した関税の還付又は提供された担保の解除(当該担保が他の債務の弁済に充てられるものでない場合に限る。)を行う。
12 締約国による同一の産品の確認により、当該締約国の領域に輸入される産品原産品であるとの主張について輸入者、輸出者又は生産者による虚偽の又は裏付けのない陳述が常習的に行われていることが示される場合には、当該締約国は、当該輸入者、輸出者又は生産者が、それぞれ輸入し、輸出し、又は生産する当該同一の産品について、原産品であることを証明するまでの間、関税上の特恵待遇の適用を停止することができる。この12の規定の適用上、「同一の産品」とは、当該生産原産品としての資格を与える特定の原産地規則に関連する全ての点において同一である産品をいう。
13 締約国は、確認の要請に当たり、原産地証明書に記載された輸出者生産者又は輸入者の締約国内の連絡先の情報に依拠することで足りるものとする。
1 各締約国は、2又は第4・7条(決定)に規定する場合を除くほか、この協定が自国について効力を生ずる日に以後に自国の領域に到着する産品について、この章の規定に基づいて行われる関税上の特恵待遇の要求を認める。さらに、輸入締約国は、自国が認める場合には、この協定が自国について効力を生ずる日以降に自国の領域に輸入され、又は税関管理から引き取られる産品について、この章の規定に基づいて行われる関税上の特恵待遇の要求を認める。
2 輸入締約国は、次のいずれかの場合には、関税上の特恵待遇の要求を否認することができる。
(a) 産品が特恵待遇を受ける資格がないと決定する場合
(b) 前条(原産品であることの確認)の規定に基づく確認より、産品原産品であることを決定するのに十分な情報を得られなかった場合
(c) 輸出者生産者又は輸入者が前条(原産品であることの確認)の規定に基づく情報についての書面による要請に対して回答を行わない場合
(d) 輸出者又は生産者が確認のための訪問についての書面による通報を受領した後、前条(原産品であることの確認)の規定に基づく書面による同意を与えない場合
(e) 輸入者、輸出者又は生産者がこの章に規定する要件を満たさない場合
3 輸入締約国は、関税上の特恵待遇の要求を否認する場合には、輸入者に決定(その理由を含む。)を送付する。
4 締約国は、仕入書が非締約国において発給されたことのみを理由として関税上の特恵待遇の要求を否認してはならない。締約国は、非締約国において仕入書が発給される場合には、原産地証明書を仕入書と別立てとすることを義務付ける。
1 各締約国は、自国の領域に輸入された時に産品が関税上の特恵待遇を受ける資格があったであろう場合において、輸入者がその輸入の時に関税上の特恵待遇を要求しなかったときは、当該輸入者が当該産品について関税上の特恵待遇及び超過して徴収された関税の還付を申請することができることを定める。
2 輸入締約国は、1の規定に基づく関税上の特恵待遇を与える条件として、輸入者に対し、輸入の日の後1年以内又は自国の法令で定めるこれよりも長い期間内に次のことを行うことを義務付けることができる。
(a) 関税上の特恵待遇の要求を行うこと。
(b) 当該輸入の時に当該産品原産品であった旨の申告を行うこと。
(c) 原産地証明書の写しを提供すること。
(d) 当該輸入締約国が要求する当該産品の輸入に関するその他の書類を提供すること。
締約国は、この章の規定に関する自国の法令の違反に対し、適当な罰則を定め、又は維持することができる。
締約国は、この章の規定に従って収集される情報の秘密を保持するものとし、当該情報をその提供者の競争的地位を害するおそれのある開示から保護する。

第C節 その他の事項

1 締約国は、この章の規定の下で生ずる事項について検討するため、ここに各締約国の政府の代表者から成る原産地規則及び原産地手続に関する小委員会(以下この条において「原産地規則等小委員会」という。)を設置する。
2 原産地規則等小委員会は、この章の規定が効果的に、一律に並びにこの協定の精神及び目的に沿って運用されることを確保するため定期的に協議し、並びにこの章の規定の運用のために協力する。
3 原産地規則等小委員会は、技術、生産工程その他の関係する事項の発展を考慮して、この章及びその附属書の規定の改正又は修正の可能性について討議するために協議する。
4 原産地規則等小委員会は、統一システムの改正の効力発生の前に、統一システムの変更を反映するために必要なこの章の更新の準備を行うに協議する。
5 繊維又は繊維製品については、この条の規定に代えて第4・8条(繊維及び繊維製品の貿易に係る事項に関する小委員会)の規定を適用する。
6 原産地規則等小委員会は、電子的な原産地証明書の提出に係る技術的側面及びその様式について協議する。