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第3章 原産地規則

この章の規定の適用上、
(a) 「権限のある政府当局」とは、原産地証明書の発給について又はその発給を行う団体の指定について責任を負う各締約国の当局をいう。日本国については経済産業省をいい、マレーシアについては国際貿易産業省をいう。
(b) 「税関当局」とは、各締約国又は第三国の法令に従い、関税に関する法令の運用及び執行について責任を負う当局をいう。日本国については財務省をいい、マレーシアについては財務省関税庁をいう。
(c) 「輸出者」とは、輸出締約国の領域に所在する者であって、当該輸出締約国の領域から産品を輸出するものをいう。
(d) 「締約国の工船」及び「締約国の船舶」とは、それぞれ、次のすべての条件を満たす工船及び船舶をいう。
(i) 当該締約国において登録されていること。
(ii) 当該締約国の旗を掲げて航行すること。
(iii) 当該締約国の国民又は法人(当該締約国の領域に本店を有する法人であって、代表者、役員会の長及び該当役員会の構成員の過半数が当該締約国の国民であり、かつ、当該締約国の国民又は法人が51パーセント以上の持分を所有しているものに限る。)が51パーセント以上の持分を所有していること。
(iv) 船長、上級乗組員及び乗組員の総数の75パーセント以上が両締約国又は東南アジア諸国連合の加盟国である第三国の国民であること。
(e) 「代替性のある締約国原産品」又は「代替性のある締約国原産材料」とは、それぞれ、商取引において相互に交換することが可能な締約国原産品又は原産材料であって、それらの特性が本質的に同一のものをいう。
(f) 「一般的に認められている会計原則」とは、資産又は負債として記録すべき財産又は責務、記録すべき資産及び負債の変化、資産及び負債並びにこれらの変化についての算定方法、開示すべき情報の範囲及び開示の方法並びに作成すべき財務書類についき、締約国において特定の時に、一般的に認められている又は十分に権威のある支持を得ている会計原則をいう。これらの基準は、一般的に適用される概括的な指針をもって足りるが、詳細な手続及び慣行であることを防げない。
(g) 「輸入者」とは、輸入締約国の領域に産品を輸入する者をいう。
(h) 「間接材料」とは、産品生産、試験若しくは検査に使用される物(当該産品に物理的に組み込まれないものに限る。)又は産品生産に関連する建物の維持若しくは設備の稼働のために使用される物をいい、次のものを含む。
(i) 燃料及びエネルギー
(ii) 工具、ダイス及び鋳型
(iii) 設備及び建物の維持のために使用される予備部品及び産品
(iv) 生産の過程で使用され、又は設備及び稼働のために使用される潤滑剤、グリース、コンパウンド材その他の産品
(v) 手袋、眼鏡、履物、衣類、安全のための設備及び備品
(vi) 産品の試験又は検査に使用される設備、装置及び備品
(vii) 触媒及び溶剤
(viii) 産品に組み込まれていないその他の物であって、当該産品生産における使用が当該産品の一部であとは合理的に示すことのできるもの
(i) 「材料」とは、他の産品に使用される産品をいう。
(j) 「締約国原産材料」とは、締約国の領域において他の産品生産に使用される当該契約国の原産品をいう(第29条1の規定に従って当該締約国原産材料とみなすものを含む。)
(k) 「船積み用のこん包材料及びこん包容器」とは、産品を輸送中に保護するために使用される産品であって、第37条に規定する小売用の包装材料及び包装容器以外のものをいう。
(l) 「関税上の特恵待遇」とは、第19条1の規定に従って輸出締約国原産品について適用する関税率をいう。
(m) 「生産」とは、産品を得る方法をいい、製造、組立て、加工、成育、栽培、繁殖、採掘、抽出、収穫、漁ろう、わなかけ、採集、収集、狩猟及び捕獲を含む。
1 この章に別段の定めがある場合は除くほか、次のいずれかの産品は、締約国原産品とする。
(a) 当該締約国の領域において完全に得られ、又は生産される産品であって、2に定めるもの
(b) 当該締約国原産材料のみから当該締約国の領域において完全に生産される産品
(c) 非原産材料を使用して当該締約国の領域において完全に生産される産品であって、附属書2に定める品目別規則及びこの章の他のすべての関連する要件を満たすもの
2 1(a)の規定の適用上、次に掲げる産品は、締約国の領域において完全に得られ、又は生産される産品とする。
(a) 生きている動物であって、当該締約国の領域において生まれ、かつ、成育されたもの
(b) 当該締約国の領域において狩猟、わなかけ、漁ろう、採取又は捕獲により得られる動物
(c) 当該締約国の領域において生きている動物から得られる産品
(d) 当該締約国の領域において収穫され、採取され、又は採集される植物及び植物性産品
(e) 当該締約国の領域において抽出され、又は得られる鉱物その他の天然の物質((a)から(b)までに規定するものを除く。)
(f) 当該締約国の船舶により、いずれの締約国の領海にも属しない海から得られる水産物その他の産品
(g) 当該締約国の領海外における当該締約国の工船上において(f)に規定する産品から生産される産品
(h) 当該締約国の領海外の海底又はその下から得られる産品。ただし、当該締約国が、海洋法に関する国際連合条約に基づき、当該海底又はその下を開発する権利を有することを条件とする。
(i) 当該締約国の領域において収集される産品であって、当該領域において本来の目的を果たすことができず、回復又は修理が不可能であり、かつ、処分又は部品若しくは原材料の回収のみに適するもの
(j) 当該締約国の領域における製造若しくは加工作業又は消費から生ずるくず及び廃品であって、処分又は原材料の回収のみに適するもの
(k) 本来の目的を果たすことができず、かつ、回復又は修理が不可能な産品から、当該締約国の領域において回収される部品又は原材料
(l) 当該締約国の領域において(a)から(k)までに規定する産品のみから得られ、又は生産される産品
3 1(c)の規定の規定上、使用される材料について関税分類の変更が行われ、又は特定の製造若しくは加工作業が行われることを求める附属書2に定める品目別規則は、非原産材料についてのみ適用する。
4 (a) 1(c)の規定の適用上、附属書2に定める品目別規則において付加価値基準を用いる場合には、(b)の規定に従って計算される産品原産資格割合が該当産品品目別規則に定める割合以上であることを要件とする。
(b) 産品原産資格割合は、次の計算式により算定する。
       FOBVNM
QVC—————————————— ×100
        FOB
この場合において、
QVC」とは、百分率で表示される産品原産資格割合をいう。
FOB」とは、5に規定する場合を除くほか、輸送の方法を問わず、産品の買手から当該産品の売手に支払われる当該産品の本船渡しの価額をいう。ただし、当該産品の輸出される際に軽減され、免除され、又は払い戻しされた内国税を含まない。
VNM」とは、産品生産において使用される全ての非原産材料の価額をいう。
5 (a) 産品の本船渡しの価額は存在するが、その価額が不明で確認することができない場合には、4(b)に規定するFOBは、当該産品の買手から当該産品生産者への確認可能な最初の支払に係る価額に調製される価額とする。
(b) 産品の本船渡しの価額が存在しない場合には、4(b)に規定するFOBは、関税評価協定第1条から第8条までの規定に従って決定される価額とする。
6 4(a)の規定に従って原産資格割合を算定するに当たり、締約国の領域における産品生産に使用される非原産材料の価額は、次のいずれかの価額とする。
(a) 関税評価協定に従って決定される価額であって、当該産品生産者の所在する締約国の領域における輸入港に当該非原産材料を輸送するために要する運賃、適当な場合の保険料、こん包費その他すべての費用を含むもの
(b) 当該非原産材料の価額が不明で確認することができない場合には、当該非原産材料について当該締約国の領域における確認可能な最初の支払いに係る価額。ただし、当該非原産材料供給者の倉庫から当該産品生産者の所在地まで当該非原産材料を輸送するために当該締約国の領域において要する運賃、保険料、こん包費その他すべての費用及び当該締約国の領域において要する他の費用(一般的に認められており、かつ、確認可能なものに限る。)を除外することができる。
7 産品締約国原産品であるか否かを決定するため4(b)の規定に従って原産資格割合を算定するに当たり、当該産品VNMには、当該産品生産に当たって使用される当該締約国原産材料生産において使用される非原産材料の価額を含めない。
8 5(b)又は6(a)の規定の適用において産品又は非原産材料の価額を決定するために関税評価協定を適用するに当たり、関税評価協定は、必要な変更を加えて、国内取引の場合又は当該産品若しくは非原産材料の取引が存在しない場合に適用する。
1 産品が一方の締約国原産品であるか否かを決定するに当たり、当該一方の締約国の領域において当該産品生産するための材料として使用される他方の締約国原産品は、当該一方の締約国原産材料とみなすことができる。
2 産品締約国原産品であるか否かを決定するため前条4(b)の規定に従って原産資格割合を算定するに当たり、いずれかの締約国の領域において生産され、かつ、当該産品生産に使用される非原産材料の価額は、当該原産材料生産に使用される非原産材料の価額に限定することができる。ただし、これにより、当該産品が前条1(a)の規定に従って当該締約国原産品となることを条件とする。
附属書2に定める品目別規則の適用上、品目別規則において特定の産品について、その価額、重量又は容積による特定の割合が定められ、かつ、当該産品生産に使用される非原産材料が全体として当該割合を超えない場合には、当該原産材料が当該産品について適用される規則を満たしているか否かを考慮しない。
産品については、次の作業が行われることのみを理由として、附属書2に定める関税分類の変更又は特定の製造若しくは加工作業の要件を満たすものとしてはならない。
(a) 輸送又は保存の間に産品を良好な状態に保存することを確保する作業(乾燥、冷凍、塩水漬け等)その他これに類する作業
(b) 改装及び仕分
(c) 組み立てられたものを分解する作業
(d) 瓶、ケース及び箱に詰めることその他の単純な包装作業
(e) 統一システムの解釈に関する通則2(a)の規定に従って一の産品として分類される部品及び構成品の収集
(f) 物品を単にセットするに作業
(g) (a)から(f)までの作業の組合せ
1 地方の締約国原産品であって、次のいずれかの条件をみたしたものは、積送基準を満たした原産品とする。
(a) 当該他方の締約国の領域から直接輸送されること。
(b) 積替え又は一時蔵置のために第三国を経由して輸送される場合にあっては、当該第三国において積卸し及び産品を良好な状態に保存するその他の作業以外の作業が行われていないこと。
2 他方の締約国原産品が1に定める積送基準を満たさない場合には、当該原産品は、当該他方の締約国原産品とはみなさない。
1 第28条から第31条までの関連規定の要点を満たし、かつ、統一システムの解釈に関する通則2(a)の規定により完成品として分類される産品については、分解してある状態で一方の締約国の領域に他方の締約国の領域から輸入される場合であっても、当該他方の締約国原産品とみなす。
2 締約国の領域において組み立ててないか又は分解してある産品材料から組み立てられる産品であって、その材料が統一システムの解釈に関する通則2(a)の規定により完成品として分類される産品として当該締約国の領域に輸入されるものについては、当該締約国原産品とみなす。ただし、組み立ててないか又は分解してある産品非原産材料が組み立ててないか又は分解してある形態ではなく個別に当該締約国の領域に輸入させていたならば、当該産品が第28条から第31条までの関連規定の適用される要件を満たしていたであろう場合に限る。
1 在庫において混在している代替性のある締約国原産材料及び非原産材料産品生産に使用される場合において、当該産品が当該締約国原産品であるか否かを決定するときは、これらの材料が当該締約国原産材料であるか否かについては、当該締約国の領域において一般的に認められる会計原則に基づく在庫管理方式に従って決定することができる。
2 代替性のある締約国原産材料及び非原産品が在庫において混在している場合において、これらの産品が在庫において混在している当該締約国の領域において輸出に先立っていかなる生産工程も経ず、又はいかなる作業(積卸し又はこれらの産品を良好な状態に保存するために必要なその他の作業を除く。)も行わないときは、これらの産品が当該締約国原産品であるか否かについては、当該締約国の領域において一般的に認められている会計原則に基づく在庫管理方式に従って決定することができる。
間接材料については、生産される場所のいかんに問わず、産品生産される締約国原産材料とみなす。
1 産品生産に使用されたすべての非原産材料について附属書2に定める関連する関税分類の変更又は特定の製造若しくは加工作業が行われたか否かを決定するに当たり、当該産品と共に納入される附属品、予備部品又は工具であって、当該の標準的な附属品、予備部品又は工具の一部を成すものについては、次の(a)及び(b)の要件を満たす場合には、考慮しない。
(a) 当該附属品、予備部品又は工具が仕入書において当該産品と別に記載されるか否かにかかわらず、当該附属品、予備部品又は工具に係る仕入書が当該産品の仕入書と別立てにされないこと。
(b) 当該附属品、予備部品又は工具の数量及び価額が当該産品について習慣的なものであること。
2 産品原産資格割合の要件の対象となる場合には、当該産品原産資格割合を算定するに当たり、附属品、予備部品又は工具の価額を、場合に応じて当該産品生産される締約国原産材料又は非原産材料の価額として考慮する。
1 産品生産に使用されたすべての非原産材料について附属書2に定める関税分類の変更又は特定の製造若しくは加工作業が行われたか否かを決定するに当たり、小売用の包装材料及び包装容器であって、第一システムの解釈に関する通則5の規定に従って当該産品に含まれるものとして分類されるものについては、考慮しない。
2 産品原産資格割合の要件の対象となる場合には、当該産品原産資格割合を算定するに当たり、該当産品の小売用の包装材料及び包装容器の価額を、場合に応じて当該産品生産される締約国原産材料又は非原産材料の価額として考慮する。
船積み用のこん包材料及びこん包容器については、次のとおりとする。
(a) 産品生産に使用されたすべての非原産材料について附属書2に定める関連する関税分類の変更又は特定の製造若しくは加工作業が行われたか否かを決定するに当たって考慮しない。
(b) 産品原産資格割合を算定するに当たり、生産される場所のいかんを問わず、当該産品生産される締約国原産材料とみなす。
1 輸入締約国は、関税上の特恵待遇を要求する輸入社に対して、輸出締約国原産品についての原産地証明書の提出を要求する。
2 1の規定にかかわらず、輸入締約国は、次の場合には、輸入者に対して原産地証明書の提出を要求しない。
(a) その課税価額の総額が1,000アメリカ合衆国ドル若しくは当該輸入締約国の通貨によるその相当額又は当該輸入締約国が設定するこれよりも高い額を超えない輸出締約国原産品の貨物の輸入
(b) 当該輸入締約国が原産地証明書の提出の義務を免除した輸出締約国原産品の輸入
3 輸出締約国原産品が第三国を経由して輸入される場合には、輸入締約国は、当該原産品について関税上の特恵待遇を要求する輸入者に対して、次のいずれかのものの提出を要求することができる。
(a) 通し船荷証券の写し
(b) 当該第三国の税関当局その他の関連する主体が提供する証明書その他の情報であって、当該第三国において積卸し及び産品を良好な状態に保存するその他の作業以外の作業が当該原産品について行われていないことを証明するもの
1 前条1に規定する原産地証明書は、輸出者又は権限を与えられた代理人によって行われる書面による申請に基づき、輸出締約国の権限のある政府当局が発給する。当該原産地証明書には、附属書3に定める事項についての記載を必ず含めるものとする。
2 輸出締約国の権限のある政府当局は、この条の規定の実施のために、自国の関係法令により与えられた権限に基づき、原産地証明書の発給について責任を負う政府以外の団体を指定することができる。
3 輸出締約国の権限のある政府当局が政府以外の団体を原産地証明書を発給するものとして指定する場合には、当該輸出締約国は、輸入締約国に対し書面により当該政府以外の団体(以下この章において「指定団体」という。)を通報する。
4 両締約国は、その章の規定の実施のために、この協定の効力発生の日に第50条に規定する運用上の手続規則において英語による原産地証明書の様式を定める。
5 原産地証明書は、英語で記入する。
6 発給された原産地証明書は、輸入締約国の領域への輸出締約国原産品の1回限りの輸入について適用され、かつ、当該原産地証明書が発給された日の後12ヵ月間有効なものとする。
7 輸出者産品生産者でない場合には、当該輸出者は、次のいずれかの申請書に基づいて原産地証明書の発給を申請することができる。
(a) 当該輸出者が権限のある政府当局又は指定団体に提出する申告書であって、当該産品生産者が当該輸出者に提供する情報に基づくもの
(b) 当該輸出者の要請により、当該産品生産者が権限のある政府当局又は指定団体に直接かつ任意に提出する申告書
8 原産地証明書は、当該原産地証明書の発給を申告する輸出者又は輸出締約国の領域に所在する生産者であって7(b)に規定するものが、権限のある政府当局又は指定団体に対し、輸出される産品が当該輸出締約国原産品であることを証明した後にのみ発給される。
9 輸出締約国の権限のある政府当局又は、当該権限のある政府当局又は指定団体が使用する署名の見本及び印章の図案を輸入締約国に提供する。
10 各締約国は、権限のある政府当局又は指定団体が、その発給した原産地証明書についての記録を当該原産地証明書の発給の日の後5年間保管することを確保する。当該記録には、輸出締約国原産品であることを証明するために提示されたすべての文章等を含める。
輸入締約国は、輸出締約国産品の輸入者、輸出者、輸出締約国の領域に所在する生産者又はこれらの代理人が必要なすべての情報とともに書面による申請を行う場合には、当該産品が輸出締約国原産品に当たるか否かについて、当該産品の輸入に先立ち、書面により事前の教示を行うよう努める。
締約国は、原産地証明書の発給を受けた輸出者又は輸出締約国の領域に所在する生産者であって第40条7(b)に規定するものが次の事項を行うことを自国の法令に従って確保する。
(a) 産品が当該輸出締約国原産品でないことを知ったときは、当該輸出締約国の権限のある政府当局又は指定団体に対し書面により遅滞なく通報すること。
(b) 当該原産地証明書の発給の日の後5年間、産品が輸出締約国原産品であることに関する記録を保管すること。
1 輸入国の関係当局は、原産地証明書が真正なものであること又は原産地証明書に含まれる情報が正確なものであることについて合理的な疑いがある場合には、関税上の特恵待遇を与えられて輸出締約国の領域から輸入される産品が当該輸出締約国原産品であるか否かを決定するため、当該輸出締約国の権限のある政府当局に対し、当該産品が当該輸出締約国原産品であるか否かに関する情報を原産地証明書に基づいて要請することができる。
注釈この条から第46条までに規定する「輸入締約国の関係当局」とは、
(a) 日本国については、税関当局をいう。
(b) マレーシアについては、国際防衛産業省をいう。
2 輸出締約国の権限のある政府当局は、1の規定の実施のために、自国の法令に従い、要請された情報を当該要請の受領の日から3ヵ月以内に提供する。
輸入締約国の関係当局は、必要と認める場合には、産品が輸出締約国原産品であるか否かに関する追加の情報を要請することができる。輸出締約国の権限のある政府当局は、輸入締約国の関係当局が追加の情報を要請する場合には、自国の法令に従い、要請された情報を当該要請の受領の日から2ヵ月以内に提供する。
3 輸入締約国の権限のある政府当局は、2の規定の実施のために、原産地証明書の発給を受けた輸出者又は当該輸出締約国の領域に所在する生産者であって第40条7(b)に規定するものに対し、輸入締約国の関係当局から要請された情報を提供するよう要請することができる。
1 輸入締約国の関係当局は、前条に規定する原産地証明書に基づく確認の要請の結果に満足しない場合は、次のことを行うことができる。
(a) 輸出締約国の権限のある政府当局が輸入締約国の関係当局の立会いの下に原産地証明書の発給を受けた輸出者又は当該輸出締約国の領域に所在する生産者であって第40条7(b)に規定するものの施設を訪問することに通じて、産品が当該輸出締約国原産品であるか否かに関する情報を収集し、及び提供すること並びにそのため当該産品生産に使用された設備の確認を行うことを輸出締約国に対して要請すること。
(b) 産品が輸出締約国原産品であるか否かに関する情報であって、権限のある政府当局又は指定団体が所持するものを提供することを輸出締約国に対して訪問の間又はその後に要請すること。
2 輸入締約国は、1又は6の規定による訪問の実施を輸出締約国に対して要請する場合には、そのような要請を行うための書面を、訪問の実施を希望する日の少なくとも40日前までに受領の確認を伴う方法により当該輸出締約国に送付する。当該輸出締約国の権限のある政府当局は、その施設に訪問を受ける輸出者又は当該輸出締約国の領域に所在する生産者に対し、訪問を受けることについて同意するか否かの書面による回答を求める。
3 2の規定により送付される書面には、次の事項に関する情報を含める。
(a) 当該書面を送付する関係当局を特定する事項
(b) その施設への訪問が要請される輸出者又は輸出締約国の領域に所在する生産者の氏名又は名称
(c) 訪問の実施を希望する日及び場所
(d) 訪問の目的及び実施の範囲(確認の対象となっている原産地証明書所載の産品の明記を含む。)
(e) 訪問に立ち会う輸入締約国の関係当局の職員の氏名及び官職
4 輸出締約国は、1又は6の規定に基づいて要請される訪問の実施を受諾するか否かを、2の規定により送付される書面を受領した日から30日以内に輸入締約国に対して書面により回答する。
5 輸出締約国の権限のある政府当局は、自国の法令を従い、訪問の最終日から45日以内又は相互に同意するその他の期間内に、1又は6の規定に基づいて収集した情報を輸入締約国の関係当局に提供する。
6 (a) 輸入締約国の関係当局は、例外的であると認める場合には、前条に規定する原産地証明書に基づく確認の要請の前又はその間に、輸出締約国に対し1に規定する要請を行うことができる。
(b) (a)に規定する要請を行う場合には、前条の規定は、適用しない。
1 輸入締約国の関係当局は、輸入者がいずれかの産品について関係上の特恵待遇を要求する場合において、当該産品が輸出締約国原産品でないとき又は当該輸入者がこの章に規定する要件を満たさないときは、当該産品に関税上の特恵待遇を与えないことができる。
2 輸出締約国の権限のある政府当局は、原産地証明書の発給の決定を取り消す場合には、当該原産地証明書が当該権限のある政府当局に返却された場合を除くほか、当該原産地証明書の発給を受けた輸出者及び輸入締約国の関係当局に対し速やかにその取消しを通報する。当該輸入締約国の関係当局は、その通報を受領したときは、産品が当該輸出締約の原産品でないと決定し、関税上の特恵待遇を与えないことができる。
3 輸入締約国の関係当局は、次のいずれかの場合には、産品が輸出締約国原産品でないと決定し、関税上の特恵待遇を与えないことができるものとし、当該輸出締約の権限のある政府当局に対し書面によりその旨の決定を送付する。
(a) 当該輸出締約の権限のある政府当局が要請に対し第43条2又は5に規定する期間内に回答しない場合
(b) 当該輸出締約国が訪問の実施を拒否する場合又は前条2の規定による書面による要請に対し同条4に規定する期間内に回答しない場合
(c) 第43条又は前条の規定に従い当該輸入締約国の関係当局に提供された情報が当該産品が当該輸出締約国原産品であることを証明するために十分でない場合
4 輸入締約国の関係当局は、場合に応じて第43条又は前条に規定する手続を実施した後、輸出締約国の権限のある政府当局に対し、産品が当該輸出締約国原産品であるか否かについての書面による決定(当該決定に係る事実認定及び法的根拠を求む。)を送付する。当該輸出締約国の権限のある政府当局は、その施設が前条に規定する訪問の対象となった輸出者又は当該輸出締約国の領域に所在する生産者に対し、当該輸入締約国の関係当局による決定を通報する。
1 各締約国は、この章の規定に従って自国に提供された秘密の情報の秘密性を自国の法令に従って保持するものとし、また、当該情報をその提供者の競争的地位を害するおそれのある開示から保護する。
2 輸入締約国の関係当局がこの章の規定に従って入手した情報は、
(a) この章の規定の実施のために、当該輸入締約国の関係当局のみが利用することができる。
(b) 当該情報が要請を受ける締約国の関係法令に従って設けられた外交上の経路その他の経緯を通じて要請され、かつ、提供される場合を除くか、当該輸入締約国によって裁判所又は裁判官の行ういかなる刑事手続においても使用されてはならない。
1 各締約国は、原産地証明書の発給を受けた輸出者又は輸出締約国の領域に所在する生産者であって第40条7(b)に規定するものが、原産地証明書が発給される前に虚偽の申告書その他の文章を自国の権限のある政府当局又は指定団体に提出した場合には、自国の法令に従って、当該輸出者及び生産者に対して適当な罰則その他の制裁を定め、又は維持する。
2 各締約国は、原産地証明書の発給を受けた輸出者又は輸出締約国の領域に所在する生産者であって第40条7(b)に規定するものが、原産地証明書が発給された後に産品が当該輸出締約国原産品でないことを知ったにもかかわらず、当該輸出締約国の権限のある政府当局又は指定団体に対し書面により遅滞なく通報することを怠った場合には、自国の法令に従って、当該輸出者及び生産者に対して適当と認める措置をとる。
1 輸入締約国と輸出締約国との間の連絡は、英語で行う。
2 附属書2に定める関連する品目別規則の適用及び原産品であるか否かの決定に当たり、輸出締約国の領域において一般的に認められる会計原則に基づく適用可能な評価方法を適用する。
1 この章の規定を効果的に実施し、及び運用するため、第14条の規定に従って設置される原産地規則に関する小委員会(以下この条において「小委員会」という。)は、次の事項を任務とする。
(a) 次の事項に関し、見直し及び監視を行うこと。
(i) この章の規定の実施及び運用
(ii) いずれかの締約国が提案する附属書2及び附属書3の改正
(iii) 次条に規定する運用上の手続規則
(b) この章の規定に関連する他の問題について討議すること。
(c) 合同委員会に対し小委員会の所見及び討議の結果を報告すること。
(d) 合同委員会が第13条の規定に基づいて委任するその他の任務を遂行すること。
2 小委員会は、両締約国が合意する場所及び時期に応じて会合する。
3 小委員会の組織は、次のとおりとする。
(a) 小委員会は、両締約国政府の代表者から成る。
(b) 小委員会は、両締約国政府の職員をその共同議長とする。
合同委員会は、この協定の効力発生の日に運用上の手続規則を採択する。両締約国の税関当局、第27条に規定する権限のある政府当局及びその他の関係当局は、同手続規則に定める詳細な規則に従って、この章の規定に基づく任務を遂行する。