EPA/FTAの協定条文

日ASEAN包括的経済連携協定

第3章 原産地規則

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第23条 定義
この章の規定の適用上、
  1. 「輸出者」とは、輸出締約国に所在する自然人又は法人であって、当該輸出締約国から産品を輸出するものをいう。
  2. 「当該締約国の工船」又は「当該締約国の船舶」とは、それぞれ、次のすべての条件を満たす工船又は船舶をいう。
    1. 当該締約国において登録されていること。
    2. 当該締約国の旗を掲げて航行すること。
    3. 一又は二以上の締約国の国民又は法人(いずれかの締約国に本店を有する法人であって、代表者、役員会の長及び当該役員会の構成員の過半数が一又は二以上の締約国の国民であり、かつ、一又は二以上の締約国の国民又は法人が50パーセント以上の持分を所有しているものに限る。)が50パーセント以上の持分を所有していること。
    4. 船長、上級乗組員及び乗組員の総数の75パーセント以上が一又は二以上の締約国の国民であること。
  3. 「一般的に認められている会計原則」とは、収入、経費、費用、資産又は負債の記録、情報の開示及び財務書類の作成に関して、締約国において一般的に認められている、又は十分に権威のある支持を得ている会計原則をいう。これらの規準には、一般的に適用される概括的な指針並びに詳細な基準、慣行及び手続を含む。
  4. 「産品」とは、商品、生産品、製品又は材料をいう。
  5. 「同一の又は交換可能な材料」とは、同一の技術的及び物理的特性を有し、かつ、種類及び商業上の品質が同一である材料であって、産品に組み込まれた後は、いかなる表示に基づいても、原産品であるか否かを決定する上でそれぞれを区別することができないものをいう。
  6. 「輸入者」とは、輸入締約国に産品を輸入する自然人又は法人をいう。
  7. 「材料」とは、物又は物質であって、産品の生産において使用され、若しくは消費され、物理的に産品に組み込まれ、又は他の産品の生産に使用されるものをいう。
  8. 「原産品」又は「原産材料」とは、この章の規定に従って原産品とされる産品又は材料をいう。
  9. 「輸送用及び船積み用のこん包材料及びこん包容器」とは、産品を輸送中又は船積み中に保護するために使用される産品であって、その産品の小売用の容器及び材料以外のものをいう。
  10. 「関税上の特恵待遇」とは、第16条1の規定に従って輸出締約国の原産品について適用する関税率をいう。
  11. 「生産」とは、産品を得る方法をいい、栽培、採掘、収穫、成育、繁殖、抽出、採集、収集、捕獲、漁ろう、わなかけ、狩猟、製造、加工及び組立てを含む。
第24条 原産品
この協定の適用上、次のいずれかの産品であって、この章に規定する他のすべての関連する要件を満たすものは、締約国の原産品とする。
  1. 当該締約国において完全に得られ、又は生産される産品であって、次条に定めるもの
  2. 非原産材料を使用する場合には、第26条に定める要件を満たすもの
  3. 一又は二以上の締約国の原産材料のみから当該締約国において完全に生産される産品
第25条 完全に得られ、又は生産される産品
前条(a)の規定の適用上、次に掲げる産品は、締約国において完全に得られ、又は生産される産品とする。
  1. 当該締約国において栽培され、かつ、収穫され、採取され、又は採集される植物及び植物性生産品
    注釈 この(a)の規定の適用上、「植物」とは、すべての植物(果実、花、野菜、樹木、海草、菌類及び生きている植物を含む。)をいう。
  2. 生きている動物であって、当該締約国において生まれ、かつ、成育されたもの
    注釈 この(b)及び(c)の規定の適用上、「動物」とは、すべての動物(哺乳類、鳥類、魚、甲殻類、軟体動物、爬虫類、細菌及びウィルスを含む。)をいう。
  3. 当該締約国において生きている動物から得られる産品
  4. 当該締約国において行われる狩猟、わなかけ、漁ろう、採集又は捕獲により得られる産品
  5. 当該締約国の土壌、水域、海底又はその下において抽出され、又は得られる鉱物その他の天然の物質((a)から(d)までに規定するものを除く。)
  6. 当該締約国の領水外の水域、海底又はその下から得られる産品。ただし、当該締約国が、自国の国内法令及び国際法に基づき、当該水域、海底又はその下を開発する権利を有することを条件とする。
    注釈 この協定のいかなる規定も、海洋法に関する国際連合条約を含む国際法に基づく全締約国の権利及び義務に影響を及ぼすものではない。
  7. 当該締約国の船舶により、全締約国の領海外から得られる水産物その他の海洋からの生産品
  8. 当該締約国の工船上において(g)に規定する産品のみから加工され、又は生産される産品
  9. 当該締約国において収集される産品であって、当該締約国において本来の目的を果たすことができず、又は回復若しくは修理が不可能であり、かつ、処分、部品若しくは原材料の回収又は再利用のみに適するもの
  10. 当該締約国における製造若しくは加工作業(採掘、農業、建設、精製、焼却及び下水処理作業を含む。)又は消費から生ずるくず及び廃品であって、処分又は原材料の回収のみに適するもの
  11. 当該締約国において(a)から(j)までに規定する産品のみから得られ、又は生産される産品
第26条 完全には得られず、又は生産されない産品
  1. 第24条(b)の規定の適用上、次に掲げる産品は、締約国の原産品とする。
    1. 次条に定める計算式を用いて算定する当該産品の域内原産割合(以下「RVC」という。)が40パーセント以上の産品であって、生産の最終工程が当該締約国において行われたもの
    2. 当該産品の生産に使用されたすべての非原産材料について、当該締約国において統一システムの関税分類の変更(以下「CTC」という。)であって4桁番号の水準におけるもの(すなわち、項の変更)が行われた産品
      注釈 この(b)の規定の適用上、「統一システム」とは、附属書2に定める品目別規則において用いられているものをいう。
      産品が当該締約国の原産品であるか否かを決定するに当たり、各締約国は、当該産品の輸出者がこの(a)又は(b)の規定のいずれを用いるかについて決定することを認める。
  2. 1の規定にかかわらず、品目別規則の対象となる産品は、附属書2に定める適用可能な品目別規則を満たす場合には、原産品とする。品目別規則がRVCに基づく原産地規則、CTCに基づく原産地規則、特定の製造若しくは加工作業が行われること又はこれらのいずれかのものの組合せを選択することを規定する場合には、産品が締約国の原産品であるか否かを決定するに当たり、各締約国は、当該産品の輸出者がいずれの規則を用いるかについて決定することを認める。
  3. 1(a)の規定の適用上、及び附属書2に定める関連する品目別規則であって、特定のRVCを定めるものの適用上、次条に定める計算式を用いて算定する産品のRVCは、当該産品の規則に定める割合以上であることを要件とする。
  4. 1(b)の規定の適用上、及び附属書2に定める関連する品目別規則の適用上、使用された材料についてCTC又は特定の製造若しくは加工作業が行われたことを求める規則は、非原産材料についてのみ適用する。
  5. その章の規定の適用上、附属書3を適用する。
第27条 域内原産割合の算定
  1. 産品のRVCは、次の計算式を用いて算定する。
          FOB-VNM
    RVC= —————————————— ×100 %
            FOB
  2. この条の規定の適用上、
    1. 「FOB」とは、3に規定する場合を除くほか、産品の本船渡しの価額(生産者から外国に向けた最終的な積込みを行う港又は場所まで輸送するために要する運賃を含む。)をいう。
    2. 「RVC」とは、百分率で表示される産品のRVCをいう。
    3. 「VNM」とは、産品の生産において使用されるすべての非原産材料の価額をいう。
    1. 産品の本船渡しの価額は存在するが、その価額が不明で確認することができない場合には、2(a)に規定するFOBは、当該産品の買手から当該産品の生産者への確認可能な最初の支払に係る価額に調整される価額とする。
    2. 産品の本船渡しの価額が存在しない場合には、2(a)に規定するFOBは、関税評価協定第1条から第8条までの規定に従って決定される価額とする。
  3. 1の規定の適用上、締約国における産品の生産に使用される非原産材料の価額は、次のいずれかの価額とする。
    1. 関税評価協定に従って決定される価額であって、当該産品の生産者の所在する締約国の輸入港に当該非原産材料を輸送するために要する運賃、保険料、適当な場合のこん包費その他のすべての費用を含むもの
    2. 当該非原産材料の価額が不明で確認することができない場合には、当該非原産材料についての当該締約国における確認可能な最初の支払に係る価額。ただし、当該非原産材料の供給者の倉庫から当該産品の生産者の所在地まで当該非原産材料を輸送するために当該締約国において要する運賃、保険料、こん包費その他のすべての費用及び当該締約国において要する他の費用(一般的に認められており、かつ、確認可能なものに限る。)を除外することができる。
  4. 1の規定の適用上、産品のVNMには、当該産品の生産に当たって使用される当該締約国の原産材料の生産において使用される非原産材料の価額を含めない。
  5. 3(b)又は4(a)の規定の適用において産品又は非原産材料の価額を決定するために関税評価協定を適用するに当たり、関税評価協定は、必要な変更を加えて、国内取引の場合又は当該産品若しくは非原産材料の国内取引が存在しない場合について適用する。
第28条 僅少の非原産材料
  1. 第26条1(b)に定める要件又は附属書2に定めるCTCに基づく適用可能な原産地規則を満たさない産品については、次の場合には、締約国の原産品とみなす。ただし、当該産品が原産品とされるためのこの章に定める他のすべての関連する基準を満たしている場合に限る。
    1. 統一システムの第16類、第19類、第20類、第22類、第23類、第28類から第49類までの各類及び第64類から第97類までの各類に分類される産品については、当該産品の生産に使用された非原産材料(必要なCTCが行われていないものに限る。)の総額が当該産品のFOBの10パーセント以下の場合
    2. 統一システムの第18類及び第21類に分類される特定の産品については、当該産品の生産に使用された非原産材料(必要なCTCが行われていないものに限る。)の総額が、附属書2に定められているとおり、当該産品のFOBの10パーセント又は7パーセント以下の場合
    3. 統一システムの第50類から第63類までの各類に分類される産品については、当該産品の生産に使用された非原産材料(必要なCTCが行われていないものに限る。)の総重量が当該産品の総重量の10パーセント以下の場合
      注釈 この1の規定の適用上、前 (a)の規定を適用する。
  2. もっとも、1に規定する非原産材料の価額は、産品に適用可能なRVCに基づく原産地規則においては、非原産材料の価額に含める。
第29条 累積
締約国の原産材料であって、他の締約国において産品を生産するために使用されたものについては、当該産品を完成させるための作業又は加工が行われた当該他の締約国の原産材料とみなす。
第30条 原産資格を与えることとならない作業
産品については、次の作業が行われることのみを理由として、CTC又は特定の製造若しくは加工作業の要件を満たすものとしてはならない。
  1. 輸送又は保管の間に産品を良好な状態に保管することを確保する作業(乾燥、冷凍、塩水漬け等)その他これに類する作業
  2. 改装及び仕分
  3. 組み立てられたものを分解する作業
  4. 瓶、ケース及び箱に詰めることその他の単純な包装作業
  5. 統一システムの解釈に関する通則2(a)の規定に従って一の産品として分類される部品及び構成品の収集
  6. 物品を単にセットにする作業
  7. (a)から(f)までの作業の組合せ
第31条 直接積送
  1. 関税上の特恵待遇は、この章に規定する要件を満たし、かつ、輸出締約国から輸入締約国へ直接積送される原産品に対して与える。
  2. 次のいずれかの産品は、輸出締約国から輸入締約国へ直接積送されるものとみなす。
    1. 輸出締約国から輸入締約国へ直接輸送される産品
    2. 一若しくは二以上の締約国(輸出締約国及び輸入締約国を除く。)又は第三国を経由して輸送される産品。ただし、当該産品について、積替え又は一時蔵置、積卸し及び当該産品を良好な状態に保存するために必要なその他の作業以外の作業が行われていない場合に限る。
第32条 こん包材料及びこん包容器
  1. 産品の輸送又は船積み用のこん包材料及びこん包容器は、当該産品が原産品であるか否かを決定するに当たって考慮しない。
  2. 産品の生産に使用されたすべての非原産材料について、当該産品に適用可能なCTCに基づく原産地規則を満たしているか否かを決定するに当たり、当該産品の小売用の包装材料及び包装容器については、当該産品に含まれるものとして分類される場合には、考慮しない。
  3. 産品がRVCに基づく原産地規則の対象となる場合には、当該産品のRVCを算定するに当たり、当該産品の小売用の包装材料及び包装容器の価額を、場合に応じて原産材料又は非原産材料の価額として考慮する。
第33条 附属品、予備部品、工具及び解説資料その他の資料
  1. 産品がCTC又は特定の製造若しくは加工作業の要件の対象となる場合には、当該産品が原産品であるか否かを決定するに当たり、当該産品とともに提供される附属品、予備部品、工具及び解説資料その他の資料が原産品であるか否かについては、次の(a)及び(b)に定める要件を満たす場合には、考慮しない。
    1. 当該附属品、予備部品、工具及び解説資料その他の資料に係る仕入書が当該産品の仕入書と別立てにされないこと。
    2. 当該附属品、予備部品、工具及び解説資料その他の資料の数量及び価額が当該産品について慣習的なものであること。
  2. 産品がRVCに基づく原産地規則の対象となる場合には、原産品のRVCを算定するに当たり、附属品、予備部品、工具及び解説資料その他の資料の価額を、場合に応じて原産材料又は非原産材料の価額として考慮する。
第34条 間接材料
  1. 間接材料については、生産される場所のいかんを問わず、原産材料とみなす。
  2. この条の規定の適用上、「間接材料」とは、他の産品の生産、試験若しくは検査に使用される産品(当該他の産品に物理的に組み込まれないものに限る。)又は他の産品の生産に関連する建物の維持若しくは設備の稼働のために使用される産品をいい、次のものを含む。
    1. 燃料及びエネルギー
    2. 工具、ダイス及び鋳型
    3. 設備及び建物の維持のために使用される予備部品及び材料
    4. 生産の過程で使用され、又は設備及び建物の稼働のために使用される潤滑剤、グリース、コンパウンド材その他の材料
    5. 手袋、眼鏡、履物、衣類、安全のための設備及び備品
    6. 産品の試験又は検査に使用される設備、装備及び備品
    7. 触媒及び溶剤
    8. 他の産品に組み込まれていないその他の産品であって、当該他の産品の生産における使用が当該生産の一部であると合理的に示すことのできるもの
第35条 同一の又は交換可能な材料
同一の又は交換可能な材料が原産材料であるか否かについての決定は、輸出締約国において適用可能な又は実施されている在庫管理方式についての一般的に認められている会計原則を用いて行う。
第36条 運用上の証明手続
附属書4に規定する運用上の証明手続は、原産地証明書及び関連事項に関する手続について適用する。
第37条 原産地規則に関する小委員会
  1. この章の規定を効果的に実施し、及び運用するため、原産地規則に関する小委員会(以下この条において「小委員会」という。)を第11条の規定に従って設置する。
  2. 小委員会は、次の事項を任務とする。
    1. 次の事項に関し、見直しを行い、及び必要な場合には合同委員会に対し適当な勧告を行うこと。
      1. この章の規定の実施及び運用
      2. いずれかの締約国が提案する附属書2及び附属書3並びに附属書4の付録の改正
      3. 附属書4第11規則に規定する運用上の規則
    2. この章の規定に関連する他の問題であって全締約国が合意するものについて検討すること。
    3. 合同委員会に対し小委員会の所見を報告すること。
    4. 合同委員会が第11条の規定に基づいて委任するその他の任務を遂行すること。
  3. 小委員会は、全締約国政府の代表者から成るものとし、また、全締約国の合意に基づき、全締約国政府以外の関係団体の代表者であって討議される問題に関連する必要な専門知識を有するものを招請することができる。
  4. 小委員会は、全締約国が合意する場所及び時期において会合する。

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