2022年5月18日
東京共同会計事務所
株式会社東京共同トレード・コンプライアンス

東京共同会計事務所及び株式会社東京共同トレード・コンプライアンス(以下、「東京共同」という。)と株式会社NTTデータ(以下、「NTTデータ」という。)が提供する、自由貿易協定(以下、「FTA」(注1)という。)活用支援システム「JAFTAS」(読み:ジャフタス)を利用して、大企業から中堅中小企業までをワンストップでつなぎ、FTA原産性調査を可能にするデジタルプラットフォームを構築し、2022年7月1日から2023年2月28日の期間において経済産業省 補助事業「経済連携協定関連ツール開発実証事業」(以下、「実証事業」という) を実施します。輸出製品のFTA原産性調査に関わる様々な企業の声を反映することにより、日本全体のFTA原産性調査のデジタル化を促進し、日本の通商分野に貢献して参ります。

1.実証事業の目的

実証事業では、産業界でのFTA利活用の促進のため、物品貿易分野を対象としたFTA原産資格調査業務の標準化、中堅中小企業へのFTA活用の促進及びワンストップFTAデジタルツールのシステム仕様の検討することを目的として、各企業がFTAを活用する上で必要なインフラをハード面とソフト面の両方で整備していくことを想定しています。官・民一体となって日本の通商分野の国際競争力強化を促進して参ります。

2.実証事業の概要とスケジュール

実施期間2022年7月1日~2023年2月28日
実証内容FTA原産性調査に関するデジタルツールの機能及びサポートサービス範囲の検証
デジタルツールA : 実証事業版 JAFTAS
B : FTA Port
実証ユーザー
(対象企業)
FTAを活用している輸出企業
FTA原産性調査を実施している生産者及び当該生産者サプライヤー企業
※お申込み頂いた企業は無料でご利用いただけます。

実証事業の説明会を2022年6月15日に実施いたします。詳細は、5.FTA原産性調査 デジタルツール実証事業説明会のご案内 をご確認ください。ご関心がある企業の方は、是非ご参加をお待ちしております。

実証事業スケジュール

3.実証事業で活用するデジタルツール

お申込みいただいた企業の方に対し、すでに自動車業界において1,500社超の日本企業にご利用いただいております「JAFTAS(詳細は、4. デジタルツールのベースとなるJAFTASのご紹介 をご参照ください)」をベースとした、インターネット環境から接続できるクラウド型のFTA原産性調査システムをご提供いたします。お申込みいただいた企業は、JAFTAS最大の特徴であるFTA専門家サポートデスクも無料でご活用いただけます。実証事業では、HSコードの管理機能を開発し実証事業を行うのみならず、FTA専門家が、JAFTASサポートデスクにてHSコード設定サポートを実施します。システムとFTA専門家によるハード面とソフト面の両方を実証事業で検証する予定です。

FTA Portとして、HSコード検索サイトを中心としたFTA原産性調査を実施するために有用なコンテンツを取り揃えた情報提供サイトを提供いたします。
FTA原産性調査で最も難しい業務の1つがHSコード分類です。HSコードが分からないために、原産性証明が止まってしまうことも少なくありません。輸出業務担当者には、馴染みがあるものの、生産現場ではHSコードの存在自体がまだまだ浸透していないのではないでしょうか。
実証事業では、各業界の方々が普段利用されている用語でのHSコード検索機能を各業界団体へご協力いただき、開発して参ります。また、HSコード検索サイトに留まらず、はじめてFTA原産性証明を行う方でもFTA原産性証明に必要な情報が分かり易く理解できる情報提供サイトを構築します。

4.デジタルツールのベースとなるJAFTASのご紹介

「JAFTAS」の特長

JAFTASは、原産性証明業務のプロセスや必要な情報をクラウド上でシステム提供し、FTA専門家がサポートするソリューションです。日本が締結している18のFTAに対応しています。
2022年5月現在、自動車業界主要11社が現在契約を締結し、1,500社超のサプライヤー企業がJAFTASを用いてFTA原産性調査を実施しています。自動車業界は、産業構造上、すそ野が非常に広く、金属鉄鋼、化学、素形材、産業機械、電子部品等の様々な分野に所属する企業でサプライチェーンを構築しており、2020年9月のサービス開始から50,000件を超えるFTA原産性調査がJAFTASで実施されています。
システムの提供とFTA専門家によるサポートにより、原産性証明業務に不安や負担を感じる方も安心して業務を進めることが可能となります。
JAFTASには、大きく以下のような特長があります。

■原産性証明業務に必要な業務プロセスや情報を網羅的にシステム提供しています。
  • 日本が締結している18協定のルールや対応HSコードをデータベース化し、証明作業の効率化を実現
  • 関税分類変更基準」「付加価値基準」の2つの原産資格判定機能を搭載し、判定結果に基づく根拠書類(対比表計算ワークシート)を作成することが可能
  • 日本商工会議所合意の証明書類を発行可能。根拠書類は調査に紐づけシステム内で保管可能
  • システム内で輸出者が仕入先を招待し、調査の依頼/回答が完結
  • FTA制度変更時もFTA専門家が迅速にシステムを更新し、最新のルールに対応
■FTAを初めて利用する方でも原産性証明業務を行えるようFTA専門家が支援します。
  • システム操作や協定ルールなど、不明点をFTA専門家のサポートを受けながら調査することが可能
  • 原産性証明の制度・手続きが分かる漫画形式のガイドブックや、動画コンテンツを閲覧することが可能

「JAFTAS」の効果

自動車業界における導入企業の事例では、業界内の標準化活動が浸透し、また、FTAを活用するための体制、業務構築が進んでいることに加え、煩雑な手作業が大幅に削減されています。仕入先からの原産資格調査結果回答率が50%から75%に改善され、また、回答リードタイムが最大で40%削減されるなど、JAFTAS導入の効果が表れています。

5.FTA原産性調査デジタルツール実証事業説明会のご案内

実証事業に関する説明会

FTA原産性調査 デジタルツール実証事業の説明会
日程:2022年6月15日 14:00-15:30
形式:Webinar(Zoom)
申込:https://tktc2.resv.jp/
主催:経済産業省経済連携課
   東京共同会計事務所
   東京共同トレード・コンプライアンス

今後について

東京共同はNTTデータとともに、日本全体でのFTA活用の加速に伴い、一層高まると想定される原産性証明業務のシステム化ニーズにJAFTASで対応していきます。システム提供とFTA専門家によるサポートにより、RCEP(注2)発効でますます重要性が増すFTAの更なる活用促進を推進し、自動車業界にとどまらず日本の貿易やグローバルロジスティクスの発展に貢献していきます。

(注1) 自由貿易協定FTA)とは、国や地域間の取引でかかる関税や規制を緩和し、物品やサービスなどの貿易の拡大を促進するための協定です。また、経済連携協定EPA)とは、関税に関する取決めであるFTAに加え、投資や知的財産権などを含む広範囲の取決めのことをいいます。
(注2) RCEPは日本、中国、韓国などと東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の合計15カ国で構成され、世界最大の自由貿易圏を創出する経済連携協定です。減免対象となる貿易取引の規模が大きく、さらには、日本の輸出最大国である中国と輸出量上位の韓国に対して初めて日本が締結する協定となることから、日本企業に大きな経済的メリットをもたらすことが期待されています。

*「JAFTAS」は株式会社東京共同トレード・コンプライアンスの商標です。
*その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です
*株式会社東京共同トレード・コンプライアンスは、「JAFTAS」の運営のため東京共同会計事務所の100%出資により設立された会社です。
*自動車業界が標準化を支援、自由貿易協定活用支援システムを提供開始
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2020/061900/
*自動車輸出にまつわるFTA活用の深刻な問題と解決に向けた業界のアクションとは?
https://www.nttdata.com/jp/ja/data-insight/2021/033001/

本件に関するお問い合わせ先

東京共同会計事務所/株式会社東京共同トレード・コンプライアンス
広報担当:中垣
TEL: 03-5219-8660
E-mail: epa.info@tktc.co.jp
HP: 東京共同会計事務所(EPA事業) https://www.tkao.com/epa/
   株式会社東京共同トレード・コンプライアンス https://jaftas.jp/